【英文読解】「読める」感覚を身につける!形式主語とto不定詞/間接疑問など[045]

きほんの英文読解:めざせ!「読める」中級者 きほんの英文読解

この『きほんの英文読解』のコーナーでは、英文記事の一部を使って、文法解説、英文構造の把握、重要表現などについて説明します。

また、一通り解説を終えたら、最後に英文を「前から読む」練習を一緒に行いたいと思いますので、是非最後まで見ていただければと思います。

では、早速始めましょう。

英文読解はじめに

英文精読“Facebook Board Upholds Trump Ban, But Demands Review of Action”

英文記事紹介

今回は、VOAの“Facebook Board Upholds Trump Ban, But Demands Review of Action”という英文記事の一部を使って英語を学んでいきたいと思います。

以下は今回扱う記事のリンクです。

タイトルは「フェイスブックの委員会はトランプのアカウント停止を支持するが、措置の見直しを要求している」といった意味ですね。

では、内容を見ていきましょう。

board

board

Facebook’s Oversight Board has decided to uphold the company’s suspension of former President Donald Trump.

意味の句切りがいいところにスラッシュ(/)を入れています。

まずさらっと触れておきたいのは、“board”という単語です。

“board“といえば「板」という意味がありますが、ここでは違う意味で使われています。

実は“board“には

board 役員会、委員会

といった組織を指す意味があり、ここでは“oversight board”(監督委員会)という意味で使われています。

ビジネスの話題やニュースなどでたまに登場する言葉なので、ここで押さえておくといいですね。

現在完了形

現在完了形

次は時制を確認しておきましょう。

Facebook’s Oversight Board has decided to uphold the company’s suspension…

とあるので、現在完了形ですね。「have+過去分詞」となっています。

過去のある時点で“decided”(決定)して、今も決定された状態であるといったイメージです。

現在完了形については以下の記事で基礎から詳しく説明していますので、よく分からないという方は是非そちらをご覧ください。

theのつく言葉は何を指している?

the

続けて見ていくと、

Facebook’s Oversight Board has decided to uphold the company’s suspension

と、何を“decided”(決めた)したのかを説明しています。

“uphold”は「支持する」、“suspension”は「停止」という意味で、ここではアカウントの停止のことを言っています。

ここで“the company”「その会社」とあるのですが、これは何を指しているか分かるでしょうか?

この“the company”は先ほど登場したフェイスブックのことですよね。

the company = Facebook

このように、“the”がついた言葉や“it”などの代名詞が出てきたら、何を指しているかその都度意識して読んでいくといいですね。

former

former

次は“former”という言葉を確認しておきましょう。

former 前の、元の

ここでは“former president”(前大統領)となっていますね。

全体の意味を取ると、

Facebook’s Oversight Board has decided to uphold the company’s suspension of former President Donald Trump.

フェイスブックの監督委員会は、ドナルド・トランプ前大統領のアカウントを停止するという同社の判断を支持すると決定した。

といった意味になります。

形式主語のitとto不定詞

形式主語のitとto不定詞1

次に進みましょう。

本文からは一部省略して、次の文から読んでいきます。

However, the board said it was not correct for Facebook to order an “indefinite” suspension with no clear steps for when or whether the account would be reestablished.

です。

長くて難しく感じるかもしれませんが、少しずつ読解に大事な点を見ていきましょう。

まず、“However, the board said”(しかしながら、その委員会は言った)とあります。

「その委員会」というのは、先ほどの監督委員会のことですね。

次に続く“it”とこの“said”の間には、“the board said”という部分と、“it”以下をつなぐ“that”が省略されています。

However, the board said (that) it was not correct for Facebook to order an “indefinite” suspension …

“said that…”(~と言った)ということです。

では、ここではまず、この“it”に注目してみましょう。

However, the board said it was not correct for Facebook to order an “indefinite” suspension …

この“it”は、何を指しているか分かるでしょうか?

素直に考えてこの“it”は「それ」という意味で、直前の名詞“the board”(委員会)を指していると思った方もいるかと思います。

ですが、ここでは“it was not correct for Facebookと続いているので、「その委員会はフェイスブックのために正しくなかった」はなんだか違和感がありませんか。

この“it”は実は形式主語の“it”で、今回は後に出てくるto不定詞とセットになっています。

つまり“it”は仮の、形上の主語で、主語の正体はto不定詞以下だということです。

However, the board said it was not correct for Facebook to order an “indefinite” suspension

“to order…”とあるこの部分ですね。

そしてto不定詞の直前に“for Facebook”とあるのですが、これはto不定詞の意味上の主語になっています。

ちょっと混乱してきたでしょうか?

もう少し詳しく見ていきましょう。

形式主語のitとto不定詞2

形式主語の“it”とto不定詞です。

このテーマについては以前、to不定詞に関する以下の記事で詳しく説明していますので、気になる方は是非そちらも見ていただければと思います。

たとえば、

It is easy to play the guitar.

という文を見てみましょう。

この“it”が形式主語、つまり、形上の仮の主語です。

そして、後ろにある“to play the guitar”「ギターを弾くこと」が主語の正体となっています。

なのでこの文は、「ギターを弾くのは簡単だ」と言っていることになります。

形式主語はこのように使われるんですね。

そして、この「ギターを弾くのは簡単だ。」という文に、「誰が」そうするのが簡単なのかという情報を足すには、「for 〇〇」を持ってきます。

It is easy for him to play the guitar.

これがto不定詞、つまり「ギターを弾くこと」という部分の意味上の主語です。

こうすることで、この文は「彼がギターを弾くことは簡単だ」という意味になりました。

これを意識した上で、次の文を見てみましょう。

先ほどの本文から抜粋したものです。

it was not correct for Facebook to order an “indefinite” suspension

この“it”が形式主語ですね。

ではこの主語の正体はと言うと、“to order an indefinite suspension”というto不定詞の部分です。

“order”は「命じる」、“indefinite”は「無期限の」、“suspension”は「停止」という意味なので、「無期限の停止を命じること」となっています。

トランプ前大統領のアカウントの停止のことを言っているんですね。

そして“for Facebook”という部分がto不定詞の意味上の主語なので、「フェイスブックが無期限の停止を命じること」が正しくないと言っていることになります。

形式主語のitとto不定詞3

では、本文に戻って確認してみましょう。

However, the board said it was not correct for Facebook to order an “indefinite” suspension

形式主語の“it”、主語の正体であるto不定詞、そしてto不定詞の意味上の主語ですね。

なので、この前半部分の意味を取ると、

However, the board said it was not correct for Facebook to order an “indefinite” suspension …

しかしながら、フェイスブックが無期限の停止を命じることは適切ではないと同委員会は述べた

となります。

間接疑問

間接疑問1

進みましょう。

次の

However, the board said it was not correct for Facebook to order an “indefinite” suspension with no clear steps for when or whether the account would be reestablished.

“with no clear steps”は大丈夫そうですね。「明確な手順(決まり)なしで」です。

どんな明確な決まりが無いかは、後ろで説明されています。

ここでは、この“when”と“whether”に注目してみましょう。

この部分は間接疑問になっています。

間接疑問 疑問文を他の文の中に組み込んだ表現

のことですね。

間接疑問2

間接疑問については前回の記事で説明しているのですが、ここでももう少し間接疑問について見ていきましょう。

たとえば、

When will the account be reestablished?

という疑問文を考えてみましょう。

“reestablish”というのは、「復元する」とか「再構築する」といった意味です。

なので、この文は「いつそのアカウントは復元されますか?」という意味ですね。

これを間接疑問にしたいと思います。

疑問文を他の文に組みこんだものが間接疑問なので、ここでは、本文の一部、“steps for”という言葉に続けてみましょう。

そうすると、

steps for when the account will be reestablished

となります。

これで、“steps for”以下は、「いつアカウントが復元されるか」という間接疑問になりました。

間接疑問では、

  • the account・・・主語(S
  • will be・・・述語動詞(V

のように、SVという語順になるんでしたよね。

普通の疑問文のように、“will the account be”とはならないので注意です。

もう1つ見てみましょう。

今度は、

Will the account be reestablished? そのアカウントは復元されますか?

というYes/Noで答えられる質問です。

これを同じように“steps for”に続けると、

steps for whether the account will be reestablished

となります。

この“whether”以下が間接疑問ですね。

“whether”は「~かどうか」という意味なので、これで「そのアカウントが復元されるかどうか」という意味になりました。

間接疑問については以下の記事で基礎から詳しく説明しているので、よく分からないという方は是非そちらをご覧ください。

間接疑問3

では、本文に戻って確認してみましょう。

However, the board said it was not correct for Facebook to order an “indefinite” suspension with no clear steps for when or whether the account would be reestablished.

この部分が間接疑問ですね。

先ほど確認した“when”も“whether”のどちらも使いたいので、“or”(あるいは)という言葉でつないでいます。

would

would

次に、“would”をチェックしておきましょう。

先ほど間接疑問を説明したときには“will”を使ったのですが、ここでは“would”になっています。

would 助動詞:willの過去形(時制の一致)

“would”は助動詞で、“will”の過去形を表す役割を持っています。

時制の一致のときに使われますね。

この文は長い文なので忘れてしまいそうですが、もともとのこの文のメインの時制は

However, the board said it was not correct for Facebook to order an “indefinite” suspension with no clear steps for when or whether the account would be reestablished.

“the board said”とあるので過去形ですね。

この過去形の文の中に入れ込んでいるので、未来を表す“will”という助動詞が時制の一致というルールを受けて、“would”という過去形に変わっているわけです。

助動詞については以下の記事で詳しく紹介していますので、気になる方は是非そちらをご覧ください。

re(接頭辞)

re(接頭辞)

However, the board said it was not correct for Facebook to order an “indefinite” suspension with no clear steps for when or whether the account would be reestablished.

最後にこの“reestablished”という言葉の“re”という部分に触れておきたいと思います。

これは「接頭辞」と呼ばれるもので、この呼び名は別に覚えなくてもいいのですが、要は「頭につく言葉」だと思えばOKです。

“re”はその接頭辞の1つで、

re(接頭辞) 再び、後ろへ(元へ)

という意味合いを持っています。

接頭辞2

この“re”という接頭辞についてもう少しわかりやすく説明しますね。

再び」「後ろへ(元へ)」というのがこの言葉の持つイメージです。

たとえば、“use”(使う)を、“reuse”とすると、「再利用する」という意味になります。

“re”がつくことで、元の“use”に「再び」とか「元へ」の意味を持たせた新しい言葉になっていますね。

同じように、“start”(始める)を“restart”にすると、「再開する」

“view”(見る)を“review”にすると、「見直す」とか「再検討する」

“build”(建てる/作る)を“rebuild”にすると、「再建する」

そして本文に出てきた“establish”(設立する)を“reestablish”にすると、これも「再建する」や「復元する」という意味になります。

こうやって接頭辞の持つ意味を知っていると、単語の意味が分かりやすくなりますし、覚えやすくもなりますよね。

接頭辞3

本文に戻って確認すると、

However, the board said it was not correct for Facebook to order an “indefinite” suspension with no clear steps for when or whether the account would be reestablished.

この部分は受動態になっているので、過去分詞の“reestablished”となっていますね。

ここまでの後半部分の意味を確認すると、

…with no clear steps for when or whether the account would be reestablished.

いつアカウントが復元されるか、あるいは(そもそも)復元されるかどうかの明確な決まりがない

といった意味になります。

全体の意味を取ると、

However, the board said it was not correct for Facebook to order an “indefinite” suspension with no clear steps for when or whether the account would be reestablished.

しかしながら、同委員会は、フェイスブックがいつアカウントが復元されるか、あるいは(そもそも)復元されるかどうかの明確な決まりがない「無期限」の停止を命じることは適切ではない、と述べた。

となります。

今回取り上げた表現まとめ

まとめ

ここで、今回取り上げた表現をざっとおさらいしておきましょう。

  • 現在完了形:「have+過去分詞」で、過去のある時点から今までの話をするときに使う時制

  • former:前の、元の

  • 形式主語のitとto不定詞:仮の主語で、主語の正体はto不定詞

  • 間接疑問:疑問文を他の文の中に組み込んだ表現

  • would:助動詞、willの過去形(時制の一致)

  • re (接頭辞):頭につく言葉で、「再び」とか「後ろへ(元へ)」といった意味を持つ

 

練習:「前から読む」の実践トレーニング

練習:「前から読む」の実践トレーニング

では、一通り解説を終えましたので、最後に一緒に英文を「前から読む」練習をしていきましょう。

「前から読む」コツや重要性については、以下の記事で詳しく説明していますので、気になる方は是非そちらをご覧ください。

では始めましょう。

1

前から意味のかたまりごとに読んでいきましょう。

Facebook’s Oversight Board has decided フェイスブックの監督委員会は決定した

2

何を決定したかと言うと…

to uphold the company’s suspension 同社の停止(の判断)を支持すると

3

何の停止かと言うと…

of former President Donald Trump. ドナルド・トランプ前大統領の(アカウントの)

4

次に進みましょう。

However, the board said しかしながら、同委員会は述べた

5

何を述べたかと言うと…

it was not correct 適切ではないと

6

何が適切でないかと言うと…

for Facebook to order an “indefinite” suspension フェイスブックが「無期限」の停止を命じること

7

どんな停止かと言うと…

with no clear steps 明確な手順(決まり)がない

8

どんな手順(決まり)が無いかと言うと…

for when or whether the account would be reestablished いつアカウントが復元されるか、あるいは(そもそも)復元されるかどうかの

お疲れ様でした。

どれぐらいの長さを一塊で読むかは、「意味のかたまりごとに前から読む」ができてさえいれば、ご自身のやりやすいように調整してもらえれば結構です。

英語リーディング“Facebook Board Upholds Trump Ban, But Demands Review of Action” おわりに

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回はちょっと難しめだったでしょうか。最後まで見てくださった方、本当にありがとうございます。

すぐに分からなくても、説明を聞いて次に読んだときに理解できればひとまずはOKです。

その経験を少しずつ増やしていくことで、徐々に英文の読み方に慣れていくはずです。

このブログおよびYouTubeチャンネルでは、主にこのような英文読解や重要文法の説明をできるだけわかりやすく行っています。

良かったらまた見に来てくださいね!

この記事を書いた人
Momo

英語講師/翻訳者
英検1級/TOEIC980/全国通訳案内士
スタディサプリ講師(中学講座 - 英語)
2児のママ
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