今回は、助動詞についてお話ししたいと思います。
英文を作る上で非常に重要な助動詞とその関連表現について、意味や使い方、他の表現との違いなど、助動詞の基礎知識と、プラスαの役立つ知識を惜しみなくまとめてご紹介します。
きっとこの記事を見終わった後には、みなさんの助動詞に対する印象が少し変わっているはずです。
では、早速始めましょう。
英語の助動詞とは?
まず、助動詞とは何かについてお話しします。
助動詞の役割
助動詞とは、簡単に言えば、
動詞を「助け」、話しての判断を示す
ための言葉です。
まず、前半部分(動詞を「助け」)から説明すると、
動詞の前にさっそうと現れて、動詞をサポートしてあげるのが助動詞です。
動詞を助けてあげるから、助動詞と考えると覚えやすいですね。
なので、助動詞は動詞の前に置く、言い換えれば助動詞の後ろには必ず動詞が、しかも動詞の原形が続くことになります。
次に後半部分(話し手の判断を示す)を説明します。
たとえば、
I play tennis. 私はテニスをする。
という文があったとしましょう。
これに助動詞を加えると、
I can play tennis. 私はテニスができる。
I should play tennis. 私はテニスをした方がいい。
I may play tennis. 私はテニスをするかもしれない。
とそれぞれが全然違う意味になり、助動詞を1語加えるだけで元の文の意味が広がります。
このように、助動詞を使うと「話し手がどう思っているか」というニュアンスを加えることができるんですね。
この記事で扱う助動詞と関連表現一覧
では助動詞の役割についてイメージを持ったところで、それぞれの助動詞を詳しく見ていきましょう。
この記事で扱う助動詞とその関連表現の一覧がこちらです。
- can / could / be able to
- will / would / be going to / shall
- may / might
- should / ought to / had better
- must / have to
意味のまとまりごとにグループ分けしてお話ししていきたいと思います。
can / could / be able to
まずはじめに“can”から見ていきましょう。
細かい意味の説明の前に、まずはおおまかなイメージを捉えてもらいたいと思います。
“can”の基本の意味は、「~できる/~の可能性がある」です。
“can”の変化した形である“could”の基本イメージは、“can”の形式上の過去形、丁寧、控えめな表現です。
“be able to”は“can”の代用表現で、「~できる」という意味を表します。
can:能力・可能 / 可能性
では、“can”を詳しく見ていきましょう。
“can”の否定形は“can’t”あるいは“cannot”です。
“can”の1つ目の意味は「能力・可能」です。「~することができる」という意味ですね。
Aki can speak English. アキは英語を話すことができる。
は、アキにはその「能力がある」ことを意味しています。
また、
We can set up a tent here. 私たちはここにテントを立てることができる。
などのように、状況・性質から判断して「可能」だという意味を表せます。
2つ目の意味は「可能性」です。これは、「~することがあり得る」という意味です。
It can be very cold here in winter. ここは冬にはとても寒くなり得る。
は、「寒くなり得る」という可能性を示しています。
あわせてチェックしておきたいのが、
That can’t be true. それが本当のはずがない。
などの否定形の意味です。
「あり得る」を打ち消しているのですから、「ありえない」つまり「そんなはずはない」という意味になります。
can:許可 / 依頼
“can”の3つ目の意味は「許可」で、「~してもよい」です。
たとえば、
Can I ask a question? 質問してもいいですか?
や
You can’t park your car here. ここに車を停めてはいけない。
という風に使われます。
同じ「許可」の意味を持つ、後で説明する“may”と比較すると、“can”は“may”より口語的で、カジュアルな言い方になります。
ニュアンスとしては“can”の基本の意味が「~できる」なので、「可能かどうか」を聞いているんですね。
4つ目の意味は「依頼」で、「~してくれない?」と言うときに使うことがきます。
Can you turn the music down? 音楽の音量下げてくれない?
とお願いするときなどに使われます。
これも友達などに対して使われるカジュアルな言い方で、ニュアンスとしては「音量を下げることが可能か」を聞いています。
be able to:能力・可能
次に“can”の代用表現である“be able to”を確認してみましょう。
“be able to”も“can”と同様に「能力・可能」の「~することができる」を意味します。
先ほどご紹介したように“can”には他にも意味がありますが、“be able to”はこの意味しかないことを確認しておきましょう。
同じ意味のようなのに、なぜ“be able to”が必要なのかに触れておきますね。
たとえば、「ロボットはあらゆることができるようになる」と言いたい場合、
❌Robots will can do everything.
という言い方はできません。助動詞は2つ重ねられないからです。
では未来のことはどう言えばいいかと言うと、
Robots will be able to do everything.
と、“be able to”を使って表現します。
同様に、
現在完了形:I haven’t been able to find a job. 仕事を見つけられていない。
や、
過去形:Kate was able to visit us for Thanksgiving. ケイトはサンクスギビングに私たちのところへ来ることができた。
にも使えます。
つまり、“be able to”には“can”にできない時制を表すことができるんですね。
ちなみに、現在形だと“be able to”より“can”を使う方がふつうです。
could:canの過去形、仮定法
次は“could”を見てみましょう。
否定形は、“could not”あるいは“couldn’t”です。
まず確認しておきたいのは“can”の過去形としての“could”です。
主に時制の一致の場面で使われます。
時制の一致というのは、たとえば、
He said nothing could be done。 彼はどうしようもないと言った。
のような文を考えるといいです。
彼が言った内容は現在形だと“nothing can be done”ですが、“He said”と過去の話になっているので、その後に続く“can”も過去の時制に合わせることになります。
“can”の過去の形は“could”なので、“could”を使うわけですね。
“can”の過去形としての“could”でもう1つ押さえておきたいのは否定形です。
I couldn’t see anything. 何も見えなかった。
のように、「~できなかった」ことを表すことができます。
次は仮定法の“could”を見てみましょう。
「もし~だとしたら~できる」という、現実とは違うことや、起こりそうにないことを表すのが仮定法です。
If we had a garden, we could have a dog. もし庭があれば、犬が飼えるのに。
という風に、現在の仮定は過去形で表すので、If節の“have”は“had”に、「~できる」という“can”は“could”を使うことになります。
注意:肯定文で「~することができた」と過去のことを言う場合
ここで注意しておきたいのは、肯定文で「~することができた」と過去のことを言うときです。
“could”を使うのは、基本的に「過去の時点で身に備わっている継続的な能力を言う場合」です。
たとえば、
She could play the piano at three. 彼女は3歳でピアノが弾けた。
という風に、その時にそれができる能力が備わっていたことを意味します。
一方で、“be able to”は過去の1回きりの動作・行為に成功したことを言う場合に使われる傾向があり、
She was able to open the box. 彼女はその箱を開けることができた。
という風に使います。
この「箱を開けることができた」というのは、その時その場面で「成功した」一時的な能力で、ピアノが弾けるといった継続的な能力ではありませんね。
ちなみに、このような場面で“could”を使うと、過去の意味ではなく仮定法の意味で解釈されるのがふつうです。
「(開けようと思えば)開けられる」という風に、何かの仮定が前提にあるような意味ですね。
could:可能性、提案
次の“could”の意味は「可能性」です。「~かもしれない」という意味になります。
It could snow tomorrow. 明日は雪が降るかもしれない。
という風に使われます。
また、否定形では
It couldn’t snow tonight. 今日雪が降るはずがない。
のように、「~のはずがない」という意味を表します。
“can”と比較すると、“could”は“can”より確信度が低くなります。
また、“could”を使っているといっても過去の話をしているわけではないので注意しましょう。
次に、「提案」を表す“could”です。
「~してもいいかも」ぐらいの意味で、
We could eat out tonight. 今夜は外食でもいいかも。
のように控えめに提案している意味になります。
could:許可 / 依頼
次は、「許可」を表す“could”です。「~してもよろしい」という意味で、
Could I ask a question? 質問してもよろしいですか?
I wonder if I could borrow the book. その本をお借りしてもよろしいでしょうか。
という風に使うことができます。
“can”と比較すると、“could”は“can”より丁寧な言い方になります。
最後に「依頼」の意味で使われる“could”です。
「~していただけますか?」という意味で、
Could you take a message, please? 伝言を預かっていただけますか?
という風に使うことができます。
こちらも“can”を使うよりも丁寧さを出すことができます。
will / would / be going to / shall
次に“will”のグループを見ていきましょう。
まずはおおまかなイメージです。
“will”の基本の意味は、「こうなる/こうする」です。
“will”が変化した形である“would”の基本イメージは、“will”の形式上の過去形、丁寧、控えめな表現です。
“be going to”は“will”の代用表現で、「~するつもり」とかこれから「こうなる」という意味を表します。
もう1つ別の助動詞の“shall”も確認しておくと、“will”と同じようにこれから「こうする」を表し、「~しましょうか?」など基本的に特定の意味で使われます。
will:単純未来
では、細かく“will”の意味を見ていきましょう。否定形は“will not”または“won’t”です。
まず、未来を表す時制として扱われる「単純未来」です。
「これから起こると話し手が思っていること」を表します。
たとえば、
He will be twenty next year. 彼は来年20歳になる。
と言うと、「自然とそうなる」ことを表せますし、
I think she will pass the test. 彼女はそのテストに受かると思う。
と言うと、話し手がそう「予測」していることを表せます。
つまり、単純に未来でこうなる、と思っていることを示せるんですね。
ここで1つ注意点なのですが、“will”は未来のイメージが強いかと思いますが、話し手が現在そうだと思っていることにも使われます。
たとえば、
Don’t call her now. She’ll be busy. 今は彼女に電話しないで、彼女忙しいから。
という感じで、彼女が「今」忙しいと思っていることを表すことになります。
will:意志・意図 / 依頼
2つ目の“will”の意味は「意志・意図」です。
これは、その場で決めた「これから~する」ということを意味します。
たとえば、
Tom wants to speak to you. トムがあなたと話したがってるよ。
と言われ、
OK, I’ll give him a call. わかった、電話するよ。
という風に使われます。
ここでは、電話することを予定していたわけではなくて、これからそうすると決めていますよね。
次は「依頼」です。「~してくれる?」と人にお願いするときに使う“will”です。
Will you close the door そのドア閉めてくれる?
という風に使われます。
ニュアンスとしては、閉める「意志」があるか相手に聞いています。
友達などに使われるカジュアルな表現になります。
will:拒絶 / 習性・傾向
次は否定形で使われる「拒絶」を表す“will”です。
「どうしても~しようとしない」という意味になります。
たとえば、
She won’t listen to my advice. 彼女はどうしても私のアドバイスに耳を傾けようとしない。
とか、
The door won’t open. ドアが全然開かない。
という風に使われます。
次は、「習性・傾向」を表す“will”です。これは「そういうものだ」という意味になります。
たとえば、
People will talk. 人っていうのは噂話をするものだ。
という風に使われ、未来のことを表しているわけではなく、そういう性質があるということを意味しています。
be going to:予定・意図
次に、“will”の代用表現である“be going to”を見ていきましょう。
“be going to”は「予定・意図」を表し、「~するつもり、~する予定」という意味になります。
たとえば、
They are going to move to Tokyo. 彼らは東京に引っ越す予定だ。
という風に使われます。
ここで、先ほど確認した“will”と比較をしてみましょう。
“will”と“be going to”を比べると、“will”は話し手がその場でそうすると決めたことを表します。
I’ll call him.
は、「今」その場で彼に電話すると決めたということですね。
一方で、“be going to”は「以前からすると決めていた」ことを表し、
I’m going to call him.
なら、既に「彼に電話する」ことを決めていたというニュアンスになります。
be going to:予測
次は、「予測」を表す“be going to”です。「~になる、~する」という意味になります。
Look at those clouds. It’s going to rain. あの雲を見て、雨が降るよ。
という感じで使われます。
ここでも“will”と比較しておきましょう。
“will”は基本的に話し手が「主観的に」そう思っていることを表します。
I think it will rain soon.
と言うと、単に「もうすぐ雨が降ると思う」という意味です。
一方で“be going to”は、今の状況などから客観的にそう判断しているときに使われる傾向があります。
I think it’s going to rain soon.
と言うと、雨雲などを見てこの状況なら「もうすぐ雨が降るな」と思っているようなニュアンスです。
would:willの過去形 / 仮定法
次は、“will”が変化した形、“would”を見ていきましょう。
否定形は、“would not”あるいは“wouldn’t”です。
まず確認しておきたいのは“willの過去形”としての“would”です。
主に時制の一致の場面で使われます。
たとえば
She said she would be late. 彼女は遅れそうだと言った。
という文を考えてみましょう。
「彼女が遅れる」は普通は“she will be late.”ですが、“She said”と過去の話になっているので、これに続けると“will”も過去の形にしないといけません。
“will”の過去の形は“would”なので、“would”を使うわけですね。
次は仮定法の“would”を見てみましょう。
「もし~だとしたら~だ」という、現実とは違うことや、起こりそうにないことを表すのが仮定法ですね。
If she were here, she would help us. もし彼女がここにいたら、私たちを助けてくれるのに。
という風に使われます。
ちなみに、普通の文では“she”に対応するbe動詞は過去形だと“was”ですが、仮定法の場合は“were”を使うことが多いです。
また、
What would you do? あなたならどうする?
のように、if節が省略されることもよくあります。
would:推量 / 過去の習慣 / 過去の拒絶
次は、「推量」の“would”です。「~だろう」という意味ですね。
It would be very expensive to do that. それをするのはすごくお金がかかるだろうね。
という感じで使われます。
“will”と比較すると、“would”は“will”より控えめで丁寧な言い方で、確信の度合いも下がります。
ちなみに“would”を使っていても「過去」の話をしているわけではないので注意しましょう。
次は「過去の習慣」を表す“would”です。「よく~したものだ」という意味になります。
He would ask her to play the piano. 彼はよく彼女にピアノを弾くよう頼んだものだ。
という風に使われます。
次に、「過去の拒絶」の“would”を確認しておきましょう。
「どうしても~しようとしなかった」という意味です。
She would not admit her mistake. 彼女はどうしても自分の間違いを認めようとしなかった。
という拒絶の意味で使われます。
would:依頼 / その他丁寧な表現
次は「依頼」に使われる“would”です。
「~していただけませんか?」という意味で使うことができます。
Would you please close the window? その窓を閉めていただけませんか?
という感じですね。
“will”と比較すると、“would”を使うほうがより丁寧な響きになります。
最後に、「その他丁寧な表現」に使われる“would”を確認しておきましょう。
たとえば、
I would like to know more about the job. その仕事についてもっと知りたいと思います。
では、“would like to”は単に“want to”「~したい」と言うよりも丁寧な意味になります。
また、
I’d say this picture is the best. 私としてはこう思う。
という風に、“I’d say”を使うと「私としては~と思う」という控えめで丁寧な表現になります。
ちなみに、“I’d”というのは“I would”を省略した形です。
このような“would”の持つ丁寧さは、仮定法の意味に由来しています。
“I’d say this picture is the best.”なら、「もし私の意見を言わせてもらうなら」といった意味合いが隠れているので、“would”が使われると思えばいいですね。
shall:話し手の意志 / 申し出・提案 / 命令・禁止
次は、“will”に関連する別の助動詞“shall”を見てみましょう。
否定形は“shall not”あるいは“shan’t”です。
“shall”の1つ目の意味は「話し手の意志」で、「これから~する」ことを表します。
たとえば、
We shall remember this day forever. 私たちはこの日のことをずっとこれからも覚えている。
という風に使われます。
“will”と比較すると、“shall”はフォーマルな言い方で、特に2人称、3人称はあまり使われません。
2つ目の“shall”の意味は「申し出・提案」です。
質問の形で「~しましょうか」という意味を表します。
Shall we go? 行きましょうか。
Shall I open the door? 私がドアを開けましょうか?
という感じです。どちらもフォーマルな響きがあります。
“shall”が使われるのは大半がこの意味の質問の形になるので、基本はこれだけでも覚えておけばいいと思います。
3つ目の“shall”の意味は「命令・禁止」で、「~すること」とか「~してはならない」という意味を表します。
たとえば、
The photos shall not be used as commercial purpose. その写真は商業用途で使用してはならない。
という感じで、契約書など堅い文脈で使われます。
may / might
では、次の助動詞“may”に進みましょう。
“may”の基本の意味は「~してもよい」や「~かもしれない」です。
“may”の変化した形である“might”の基本イメージは“may”の形式上の過去形、丁寧、控えめな表現です。
may:許可 / 推量
では、“may”を細かく見ていきましょう。否定形は“may not”です。
“may”の1つ目の意味は「許可」で、「~してもよい」です。
たとえば、
May I ask a question? 質問してもいいですか?
という風に使われます。
また、否定形で
You may not enter this room. この部屋に入ってはいけません。
と、「~してはいけない」という不許可を表すことができます。
同じ「許可」の意味を持つ“can”と比較すると、“may”の方が“can”よりフォーマルで丁寧な言い方で、やや堅苦しくもあります。
2つ目の“may”の意味は「推量」で、「~かもしれない」という意味です。
たとえば、
It may snow tomorrow. 明日雪が降るかもしれない。
とか、
It may not be true. それは本当じゃないかもしれない。
という風に使われます。
might:mayの過去形 / 許可を求める
次に、“may”が変化した形である“might”を見ていきましょう。
否定形は“might not”です。
まず確認しておきたいのはmayの過去形としての“might”です。
主に時制の一致の場面で使われます。
たとえば、
He asked if he might borrow the car. 彼はその車を借りてもいいか尋ねた。
という文を考えてみましょう。
「彼はその車を借りてもよい」というのは現在形だと“he may borrow the car”ですが、“He asked”と過去の話になっているので、これに続けると“may”も過去の形にしないといけません。
“may”の過去の形は“might”なので、“might”を使うわけですね。
次に、「許可を求める」際に使われる“might”を見てみましょう。
質問の形で「~してもよろしいですか?」という意味になります。
Might I interrupt for a moment? 少し話を遮ってもよろしいですか?
という風に、非常に丁寧な言い方になります。
might:推量 / 仮定法
次に、“might”の「推量」の意味を確認しましょう。「~かもしれない」ですね。
たとえば、
It might snow tomorrow. 明日は雪が降るかもしれない。
や
It might not be true. それは本当じゃないかもしれない。
という風に使われます。
“may”と比較すると“might”の方がやや確信度が低い言い方になりますが、ほぼ“may”と同じ意味で使われることも多いです。
次は、仮定法の“might”です。
「もし~だとしたら~かもしれない」という意味になります。
現実とは違うことや、起こりそうにないことを表すのが仮定法ですね。
If they paid me better, I might stay here. もしもっとお給料がよかったら、ここに残るかもしれないのに。
という風に使われます。
現在の仮定は過去形で表すので、“paid”、“might”となりますね。
should / ought to / had better
では、次の助動詞“should”に進みましょう。
“should”の基本の意味は「当然~した方がいい」や「当然~のはずだ」です。
代用表現である“ought to”も「~した方がいい」や「~のはずだ」を表すことができます。
“had better”は“should”とあわせて覚えておきたい関連表現で、「~しないと」「~した方がいい」という意味になります。
should:必要・当然 / 推量
では、“should”の意味を細かく見ていきましょう。否定形は“should not”あるいは“shouldn’t”です。
“should”の1つ目の意味は「必要・当然」で、「~した方がいい」という意味になります。
「~すべき」という訳も悪くはないのですが、“should”は~するのが良いとか正しいというニュアンスで、日本語の「すべき」ほどには強い表現ではありません。
たとえば、
You should call the police. 警察に通報した方がいいよ。
とか、
We shouldn’t believe him. 彼のことは信じない方がいい。
という風に使われます。
2つ目の“should”の意味は「推量」で、「~のはずだ」という意味です。
たとえば、
Ask Ken. He should know. ケンに聞いてみて。知ってるはずだよ。
や
She should be here in a few minutes. 彼女はあと数分で到着するはずだ。
という風に使われます。
こちらも、「当然」そのはずだというような意味合いです。
should:条件 / 要求、命令、提案などの表現
次に、「条件」としての“should”を見ておきましょう。「万が一~したら」という意味です。
たとえば、
If anything should happen, call me. もしものことがあったら電話して。
という風に使われ、これは
Should anything happen, call me.
と、“if”を省略してよりフォーマルな言い方もできます。
この“should”は、話し手がその可能性は低いと思っている場合に使われます。
次は、「要求、命令、提案などの表現」で使われる“should”です。
たとえば、
She insisted that he (should) apologize. 彼女は彼が謝ることを強く要求した。
となり、that節の中に“should”が使われています。
この“should”は省略可能で、省略される場合、that節の動詞は原形のままになるので注意しましょう。
よく文法問題で狙われやすいポイントです。
この使い方ができる動詞は、他にも
- demand
- recommend
- suggest
- propose
- advise
- request など
があります。
ought to:必要・当然 / 推量
次は“should”の代用表現である“ought to”を見てみましょう。
否定形は“ought not to”または“oughtn’t to”です。
“ought to”は“should”と同様に「必要・当然」の「~した方がいい(~すべき)」という意味を表します。
たとえば、
You ought to call the police. 警察に通報した方がいいですよ。
とか、
They ought not to leave her alone. 彼らは彼女を一人にすべきでない。
という風に使われます。
“should”と比較すると、“ought to”は“should”よりフォーマルな言い方で、“should”ほど使用頻度は高くありません。
“ought to”の2つ目の意味は、「推量」で「~のはずだ」という意味です。
An ambulance ought to be here soon. 救急車はもうすぐ着くはずだ。
という風に使われます。
had better:忠告
次は関連表現の“had better”を確認しておきましょう。否定形は“had better not”です。
“had better”は「忠告」の意味で使われ、「~しないと」「~した方がいい」というような意味になります。
「~した方がいい」と覚える場合は、強い言い方であることは意識しておく必要があります。
You had better believe it. それは信じないと。/ それは信じた方がいい。
という風に使われます。
また、
I’d better go now. 私はもう行かないと。
などのように1人称でも使われることが多いです。“I’d”は“I had”の略ですね。
ちなみに、否定形だと
You had better not say these things. こういうことは言わない方がいい。
となり、“had better”の後に“not”がつくことを覚えておきましょう。
“had better”を“should”と比較すると、“had better”の方が“should”より強い言い方で、特に主語が“you”だと命令的にも聞こえます。
また、“should”はそうするのが良いという単なる話し手の意見やアドバイスであるのに対し、“had better”はそうしないと悪い目にあうというような忠告になります。
must / have to
では、最後に“must”を見ていきましょう。
“must”の基本の意味は「~しなくてはならない」や「きっと~だ」です。
“have to”は“must”の代用表現で、「~しなくてはならない」という意味を表します。
must:義務・必要 / 禁止
では、“must”の意味を詳しく見ていきましょう。否定形は“must not”あるいは“mustn’t”です。
1つ目は「義務・必要」で、「~しなくてはならない」という意味です。
You must arrive on time. あなたは時間通りに到着しなくてはならない。
とか、
I must talk to you about it. あなたにそのことを話さないといけない。
という風に使われます。
2つ目は否定形で使われる「禁止」の意味で、「~してはならない」です。
You mustn’t tell anyone. 誰にも言ってないけない。
という風に使われます。
must:自信のある推量
3つ目の“must”の意味は「自信のある推量」で、「きっと~だ」とか「~にちがいない」という意味になります。
テキストなどでは「~にちがいない」と紹介されることが多く、それでもいいのですが、この日本語の響きほどに確信に満ちた強い意味はありません。「きっとそうだ」ぐらいですね。
まわりが暗くなっているのを見て、
It must be quite late. きっとかなり遅い時間になってるな。
とか、
You must be tired. きっとおつかれでしょうね。
という風に使われます。
主に状態動詞を使うことになります。
状態動詞と動作動詞については以下の記事で詳しく説明しています。
ここで“can”と比較してみましょう。
That must be true.
と言うと「それはきっと本当だ」という肯定文ですが、この逆で「きっとそうじゃない」「そんなはずない」と言いたい場合は、
That can’t be true.
と“can”を使って否定文にします。
“must”の否定形“must not”だと、先ほど紹介した「~してはいけない」という禁止の意味になりますので、注意しましょう。
have to:義務・必要
次は、“must”の代用表現である“have to”を見てみましょう。
“have to”は“must”と同様に「義務・必要」の「~しなくてはならない」という意味を表します。
たとえば、
He has to work late. 彼は遅くまで働かないといけない。
となります。
また、過去形で
I had to walk to the office. 私はオフィスまで歩かなくてはならなかった。
や、未来形で
You’ll have to wait and see. 様子を見ないといけなくなるね。
という風に、“have to”なら“must”にできない時制を表すことができます。
ここで“must”と比較しておきましょう。
“must”は話し手が主観的、感情的にそうしないといけないと感じており、“have to”より堅い響きがあるのに対し、“have to”は状況などにより客観的に判断してそうしないといけないことを意味します。
have to:不必要(否定形)
次に“have to”の否定形を確認しておきましょう。
「不必要」を表す「~しなくてもいい」という意味です。
たとえば、
You don’t have to come with me. 一緒に来なくていいよ。
とか、
I didn’t have to take the test. 私はそのテストを受けなくてもよかった。
という風に使われます。
ここでも“must”と比較しておきましょう。
“must”が“have to”と同じと覚えている人は、否定文のときに注意が必要です。
You mustn’t tell anyone. 誰にもいってはいけない。
と言うと、「~してはいけない」という「禁止」の意味になりますが、
一方で、
You don’t have to tell anyone. 誰にも言わなくていいよ。
という単なる不必要「~しなくていい」の意味になります。
基本の助動詞と関連表現まとめ
お疲れさまでした。今回ご紹介する助動詞と関連表現は以上になります。
それぞれの特徴や違いをお分かりいただけたでしょうか。
今回は非常に重要な助動詞について、基礎+αの知識をお届けしました。
助動詞が使いこなせるようになるだけで英語の表現はぐっと広がります。
是非しっかりとイメージをつかんで、どんどん使ってみてくださいね。
このブログおよびYouTubeチャンネルでは、主に今回のような英文法や英文読解の説明をできるだけわかりやすく行っております。
良かったらまた見に来てくださいね!
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