この『きほんの英文読解』のコーナーでは、英文記事の一部を使って、文法解説、英文構造把握、重要表現などについて説明します。
つまりは、英文からさくっと英語を学んでいこうというコーナーです。
“Indonesians Collect Old Phones to Help Students Get Online”前半
今回は、VOAの“Indonesians Collect Old Phones to Help Students Get Online”という英文記事の一部を使って英語を学んでいきたいと思います。
以下は、今回扱う記事のリンクです。
タイトルは「インドネシアの人々が学生がネットを使えるように古い携帯電話を集める」といった意味ですね。
では、早速内容を見ていきましょう。
say that S V
意味の句切りがいいところにスラッシュ(/)を入れています。
1文が長いですが、押さえるところを押さえれば、特に恐れることはありません。
まず見ておきたいのは、“says”の部分です。
ここでは、
say that S V ~と言う
の形で使われています。
このthat節を使った言い方は他の動詞でも多いので、詳しく見ていきましょう。
たとえば、
She says that she doesn’t like fish.(彼女は魚が好きではないと言う。)
という文章を例にしてみましょう。
“says”の後に“that”が続いていますね。この“that”は接続詞の“that”です。
接続詞は、語と語や文と文をつなぐ役割をする言葉ですね。
英文の最小単位はSとV、つまり主語と述語動詞です。
この文を見るとまず、“she says”で「彼女は言う」とS、Vがありますね。
そして、“that”は文と文をつないでいるので、“that”の後にも“she doesn’t like fish”と別のSとVを含む文があるわけです。
今度はこの“that”以下、“that”が作っている語のかたまりに注目してみましょう。
これはよく“that節”という呼ばれ方をするものなのですが、「節」とは何でしょうか?ここで確認しておきましょう。
節:文中で品詞の働きをする語のかたまりで、SVを含むもの
SVを含むものとあるように、先ほど確認しましたが、“she doesn’t like fish”の部分にちゃんと主語(S)と述語動詞(V)がありますね。
では、このthat節を1つの大きなかたまりと捉えてみましょう。
すると、この文章の構造は“she says”(彼女は言う)とS、Vがあり、その後に「~を」と言う形で、that節の部分が大きな目的語(O)になっているわけです。
目的語になるのは名詞なので、このthat節は「~ということ」を言うという、名詞の役割をしているわけですね。
ちなみにこの“that”は省略することも可能です。
では、本文に戻りましょう。
この文では“says”の後に、先ほど説明した“that”が省略されています。
ということは、“that”は文と文を結ぶので、この省略されたthatの後にS(主語)、V(述語動詞)が来るはずですよね。
そう思って見ていくと、“led”という、動詞“lead”の過去形があります。なので、ここがVの部分ですね。
そうなると、その前にS、つまり主語があるはずなので、少し長いですが、“a stranger’s visit to her house”が主語(S)であることが分かります。
a stranger’s visit to her house…(見知らぬ人の彼女の家への訪問→見知らぬ人が彼女の家に来たことが…)
lead to~
次に、動詞の部分“led to”に注目してみましょう。
lead to~ ~(結果)につながる
というフレーズです。
これをふまえて頭から見ていくと、
Ghina Ghaliya of Indonesia says a stranger’s visit to her house led to a campaign…(インドネシアのジーナ・ガレヤさんは、ある見知らぬ人が彼女の家にやってきたことが、ある活動につながったと言います…)
となっています。
to不定詞(形容詞的用法)
では、どのような活動につながったのでしょうか。続きを見ていきましょう。
“to help students affected by the coronavirus pandemic.”の部分です。
ここでは、“to help”という不定詞がありますね。
この不定詞はどのような役割をしているか分かりますでしょうか?
これは前回の読解でも説明した、形容詞的用法と言われる不定詞の使い方です。
名詞を修飾するのが形容詞の性質の1つですよね。
なので、不定詞の直前にある“campaign”という名詞について、“to help”以下がこの活動がどんなものなのかを後ろから説明しているわけです。
a campaign to help students… …学生を助けるための活動
ですね。
過去分詞(形容詞の働き)
ここでもう1点確認しておきましょう。“affected”です。
“affect”という動詞の過去分詞の形で、これも形容詞の役割をしています。
過去分詞は、動詞の変形した形の1つですよね。
たとえば“use”なら、“use-used-used”と、原形、過去形、過去分詞形と変化します。
不規則動詞なら、たとえば“break”は、“break-broke-broken”と変化します。
“use”は“used”、“break”は“broken”が過去分詞の形ですね。
そして、過去分詞は形容詞の役割をすることができます。
たとえば、
the broken window その割れた窓
や、
the window broken by him 彼によって割られた窓
といった言い方が可能です。
これが形容詞の役割をしているというのは、名詞を修飾しているということを意味します。
“the broken window“では、“window”という名詞を、「壊された」とか「壊れている」という意味の“broken”という過去分詞が説明しています。
“the window broken by him”の方は、前に説明したい名詞(window)があり、後ろに「彼によって壊された」という説明が続いています。
前者は“window”を説明する語が“broken“の1語であるので、名詞の前に過去分詞を置くことができます。
それに対し、後者は“broken by him”と説明が2語以上になっているので、“window”を後ろから修飾することになります。
ここで、“break”は壊すという動詞なのに、「壊された」というニュアンスはどこから来るの?と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。
その場合は、受け身(受動態)の文章を思い出してみてください。
The window was broken by him. その窓は彼によって割られた。
という受動態の文章では、過去分詞を使っていますよね。
そのことから、過去分詞には受け身のニュアンスがあることが分かっていただけるかと思います。
では、本文に戻って確かめてみましょう。
この“affected”という過去分詞の含まれる部分の前に、“students”(学生)という名詞がありますね。
先ほど、過去分詞には形容詞の役割ができると説明しました。
形容詞の役割は名詞がどのようなものなのかを説明することなので、“affected”以下がどんな“students”かを説明していることになります。
“affect”は「影響を与える」という意味なので、to以下の部分の意味を取ると、
…to help students affected by the coronavirus pandemic. コロナウイルスのパンデミックにより影響を受けた学生たちを助けるための…
という意味になります。
先ほど不定詞の部分で触れたように、これら全てが“campaign”という言葉を説明しているわけですね。
もう一度、主語の部分から全体の意味を取ると、
…a stranger’s visit to her house led to a campaign to help students affected by the coronavirus pandemic. ある見知らぬ人が彼女の家にやってきたことが、コロナウイルスのパンデミックにより影響を受けた学生たちを助けるための活動につながった。
と読むことが出来ます。
“Indonesians Collect Old Phones to Help Students Get Online”前半まとめ
- say that S V:~と言う
- lead to~:~(結果)につながる
- to不定詞(形容詞的用法):前の名詞が「どんな」ものか説明
- 過去分詞(形容詞の働き):前の名詞が「どんな」ものか説明
- —説明する語が1語なら名詞の前に、2語以上なら名詞の後に置く
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