突然ですが、あなたは英語をすらすら読めるようになりたいと思ったことはありませんか?
今回の『きほんの英文読解』のコーナーでは、英文を読む基礎であり、速読にも非常に重要な「前から読む」ことについてお話ししたいと思います。
では早速始めましょう。
英語を「前から読む」のはなぜ重要?
英文を読むには「前から読む」のが大事、というのは耳にしたことがある方も多いかもしれませんね。
では、なぜ「前から読む」ことが重要なのでしょうか?
そもそも「前から読む」ってどういうこと?
という疑問もあるかもしれませんね。
英語と日本語の性質の違い
それを説明するために、英語の性質について少し触れたいと思います。
ここに英語を話す英語くんと、日本語を話す日本語ちゃんがいるとしましょう。
2人が同じことを言うときの言語の性質の違いについて見てみたいと思います。
まず、日本語ちゃんが
私は頭が良くて面白い人が好き。
と言ったとします。
日本語では、どんなものなのかを説明する言葉はその対象となる名詞(ここでは「人」)の前に置きますよね。
「頭が良くて面白い」「人」という説明の語順となっています。
一方で、同じことを英語くんが言う場合、
I like girls who are intelligent and funny. 僕は頭が良くて面白い女の子が好き。
という風に、どんな子かの説明が、説明したい語の後ろに置かれていますね。
今回は関係代名詞“who”が使われ、後ろにある言葉のかたまりが前にある言葉を説明しています。
では、このことを意識して英文を読むことを考えてみましょう。
日本語の語順にあわせた読み方をすると…
あなたは普段、今の英語くんのセリフのような英文を読むときに、以下のような感じになってはいないでしょうか?
えーっと、“I”だから、まずは「僕は」だな。
次に“like girls who are intelligent and funny.”とあるから、えーっと、関係代名詞があるから「頭が良くて面白い」と。
…あれ、何の話をしてるんだっけ?
えーっと、関係代名詞の先行詞は…あっ“girls”だから、「女の子が好き」だな。
ふぅ、「僕は 頭が良くて面白い 女の子が好き」ということか。
というような読み方です。
この例はちょっと極端かもしれませんが、このように、日本語の語順にあわせた英語の読み方をしていると、視線が文の流れに逆らって戻ってしまうことになります。
これだと読みにくいですし、時間がかかりますよね。
英文を前から読むと…
一方で、前から読むと以下のような感じになります。
“I like girls”だから、「僕は女の子が好き」と。
“who are intelligent and funny”だから、「頭が良くて面白い」だな。
OK、次!
という感じです。
この読み方だと文の流れで読めているので、非常にスムーズで速いですよね。
英語を速く読むコツは「意味のまとまりごとに前から読む」
今の「前から読む」読み方をもう少し詳しく見てみましょう。
まず
I like girls
を、ひとかたまりで
僕は女の子が好き
と読んでいます。
そして、頭の中で「どんな女の子かって言うと…」と次に来る語を意識して、
who are intelligent and funny
と、またひとかたまりで読み、
頭が良くて面白い
と意味を捉えています。
「前から読む」なので、もちろん、“I like girls”を「僕は好き」「女の子が」ともっと細分化して読んでもいいのですが、個人的には細かい単位で読みすぎると逆に読みにくいと思っています。
完全な正解はないので、このあたりは好みですね。
大事なのは「意味のまとまりごとに前から読む」ということです。
では、どうやってそもそもその「意味のまとまり」を見分けるのかというのは…
もうお気づきですよね、文法の知識が非常に重要になってきます。
今回の例だと関係代名詞の理解ですね。
ネイティブや帰国子女でない限り、文法の理解は言語を学ぶ上で決して軽視できるものではありません。
逆に言えば、文法の知識があなたが英語を使うのを助けてくれるのです。
英文を前から読むメリット
では、前から読むメリットについても確認しておきましょう。
先ほども少し触れたように、前から読むと読むスピードが速くなります。
そして、意味のまとまりで捉えるので、英文の構造を把握しやすくもなります。
しかし、これらは言わば「おまけ」みたいなもので、前から読むことの最大のメリットは、
英語の思考の流れが身につく
ということなんです。
まず結論や核となる部分を先に言って、後から補足的な情報を足す、というのが英語の考え方ですね。
話すことを想像してもらうと分かりやすいのですが、この流れが身についていると、口頭でもすらすらと英文を組み立てやすくなります。
逆に言えば、この英語の思考の流れが掴めていないと、特に長い文は作るのが難しいですよね。
なので、英語を話す際にも相乗効果がありますし、もちろん聞く場合、書く場合でも、ぐっと英語を理解しやすくなり、自分でも使いやすくなります。
練習:英語の速読のコツ「前から読む」の実践トレーニング
メリットが分かったところで、実際に英文を前から読む練習をしてみましょう。
今回はVOAの“How Pandemic Has Changed College Applications for Students”という記事の一部を使って進めていきたいと思います。
以下は、今回扱う記事のリンクです。
※今回は前から読む感覚にフォーカスしてもらいたいので、いつもの英文読解のような語彙や表現の説明は割愛させていただきます。
では早速やってみましょう。
One of the most important parts of a college application is a student’s list of “extracurricular activities.
という文です。
では、前から意味のかたまりごとに読んでいきましょう。
One of the most important parts 最も重要な部分の1つ
何の最も重要な部分かと言うと…
a college application 大学への出願の
is は…
a student’s list 学生のリストである
学生の何のリストかと言うと…
of “extracurricular activities.” 「課外活動」の
次に進みましょう。
A student might be a member of a sports team, spend time tutoring younger children or taking part in a school’s theater program or singing group.
前から意味のかたまりごとに読んでいきます。
A student might be a member ある学生は一員かもしれない
何の一員かと言うと…
a sports team スポーツチームの
あるいは…
spend time 時間を過ごすかもしれない
何をしてかと言うと…
年下の子どもたちに(勉強を)教えて
or taking part もしくは参加して
何に参加するのかと言うと…
in a school’s theater program 学校の演劇プログラムに
or singing group あるいは合唱団に
と、こんな感じになります。
ここでご紹介した意味のかたまりの取り方は、あくまで参考程度にしてください。
「意味のかたまりごとに前から読む」ができてさえいれば、ご自身のやりやすいように調整してもらえれば結構です。
英文を前から読む方法 まとめ
- 日本語の語順にあわせた英語の読み方だと、視線が文の流れに逆らって戻ってしまう
- →読みにくく、時間がかかる
- 前から読むと英文の流れで読むことができる
- →理解がスムーズで速い
- ◆前から読むメリット
- -読むスピードが速くなる
- -英文の構造を理解しやすくなる
- –英語の思考の流れが身につく
いかがでしたでしょうか。
すぐには難しいかもしれませんが、
「前から読む」=「英語の思考の流れで理解する」
ことに慣れるために、是非練習を重ねていってもらえればと思います。
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