『話すための基礎文法』、今回は「関係代名詞」の基本の使い方についてお話しします。
では、早速始めましょう。
関係代名詞の分類(which, that, who, whose, whom)
前回の記事では、細かいことよりも先に知っておくべき、関係代名詞を扱う上でのポイントを3つお話ししました。
今回の内容を理解しやすくするために、是非そちらを先に見ていただければと思います。
さて、関係代名詞ってwhich、that、whose、who、whomといろいろあって、なんだかよく分からない感じがするかもしれませんね。
関係代名詞の一覧表
ですが関係代名詞は、使い方の観点で分類するとこのように簡潔に整理することができます。
この表を見て、「先行詞」やら「主格」「目的格」「所有格」やら、何だかよく分からない言葉があるぞ、と思った方。
これから説明しますので安心してください。
こんな風に表で見ると難しく感じるかもしれませんが、関係代名詞の使い方のポイントは大きく分けると2つだけです。
関係代名詞を使うための2つのポイント
1つ目は、先行詞は何か。
そして2つ目は、関係代名詞の作る節での関係代名詞の役割は何か、です。
まず、1つ目から見ていきましょう。
1. 先行詞は何か
the girl who smiled at me 私にほほえんだ女の子
を例に考えてみましょう。
ここでは“the girl”が「説明したい語」で、これは名詞です。
そして関係代名詞“who”以下が説明する語のかたまりで、これが形容詞の役割をして、前の名詞を説明していると前回お話ししました。
この「説明したい語」のことを「先行詞」と呼びます。今回の例では“the girl”ですね。
先行詞は大きく2種類に分けることができ、それが「人」と「人以外」です。
先行詞が人か、それ以外かによって、使える関係代名詞が変わってくるんですね。
先ほどの表で見てみましょう。
先行詞が人だと黄色の列の関係代名詞(who, that, whom, whose)を使うことができ、人以外だと青色の列の関係代名詞(which, that, whose)を使うことが可能です。
このように先行詞が何かによって、どの関係代名詞を使うか判断することになります。
2. 関係代名詞の作る節での役割は何か
次に2つ目のポイントを見てみましょう。
関係代名詞の作る節での関係代名詞の役割は何か、です。
これが、主格、目的格、所有格という用語で表されるものです。
詳しく説明していきますね。
主格の関係代名詞
まず、「主格」の関係代名詞から見ていきましょう
the girl [who smiled at me] 私にほほえんだ女の子
先行詞が人(the girl)なので、“who”という関係代名詞が使われています。
では、この関係代名詞が作る語のかたまり、つまり節に注目してみましょう。
「節」というのは、文中で品詞の働きをする語のかたまりで、S(主語)、V(述語動詞)を含むもののことです。
SVを含むので、それをこの節“who smiled at me”から探してみましょう。
まず動詞が見つけやすいですね。“smiled”(ほほえんだ)という動詞がありました。
では主語は?というところなのですが、それを理解するために、この関係代名詞“who”が実質何を意味しているのかを考えてみましょう。
「ほほんだ」のは誰でしょうか?
「女の子(the girl)」ですよね。
なのでこの“who”は、この節“who smiled at me”の中で先行詞である“the girl”の代わりをしていることになります。
女の子がほほえんだのですから、“who”がこの節の中での主語になっていますよね。
このように、主語の役割をする関係代名詞を主格の関係代名詞と呼びます。
もう1つ例を見ておきましょう。
the apple [which was on the table] テーブルの上にあったリンゴ
です。
今回は先行詞は人以外(the apple)なので、“which”という関係代名詞が使われています。
ここでも関係代名詞の作る節“which was on the table”に注目してみると、“was”が動詞(V)ですから、“which”が主語(S)の役割をしているのが分かりますね。
ちなみに、どちらの文でも関係代名詞は“that”を使ってもOKです。
目的格の関係代名詞
次は、「目的格」の関係代名詞です。
the book [which I bought yesterday] 私が昨日買った本
は、先行詞が人以外(the book)なので“which”という関係代名詞が使われています。
では、先ほどと同じようにこの関係代名詞の節“which I bought yesterday”に注目してみましょう。
“I bought”(私が買った)とありますから、これが主語(S)、動詞(V)ですね。
では“which”は何の役割をしているかというと、目的語(O)の役割をしています。
「私がその本を買った」のですから、“which”はこの節の中で先行詞“the book”の代わりをしているということです。
このように、目的語の役割をする関係代名詞を目的格の関係代名詞と呼びます。
もう1つ例を見ておきましょう。
the man [who(m) I met at the party] 私がそのパーティーで会った男性
です。
先行詞は人(the man)なので、“who”、あるいは“whom”という関係代名詞が使われています。
関係代名詞の作る節“who(m) I met at the party“に注目すると、“I met”(私が会った)とあるので、これがS Vですね。
そして関係代名詞はこの節の中で先行詞”the man”の代わりをしているので、「私がその男性に会った」のですから、目的語の役割をしているのが分かります。
ちなみに、“whom”は文章体で使われる言葉で形式ばった言い方なので、カジュアルな文脈ではあまり使われません。
また、どちらの文でも関係代名詞は“that”を使ってもOKです。
さらに、目的格の関係代名詞は省略可能で、実際に省略されることが多いです。
関係代名詞の位置の考え方
ここまで見てきて、「いやいやさっきの説明、O S Vという並び方はおかしくない?」「普通はS V O」なのに、と思った方もいるのではないでしょうか。
その場合は、こんな風に考えてみてください。
ここでは“the book”が「説明したい語」、つまり先行詞です。
これを電車の先頭の車両と考えてみましょう。
そして“which”が関係代名詞で、これが始まりとなって“I bought yesterday”が続き、説明する語のかたまりを作っています。
これがもう1つの車両です。
大事なのは、関係代名詞が頭にあるから説明する語のかたまりとして成立していて、関係代名詞が間にあるから先行詞と繋がることができるということです。
関係代名詞がチェーンのようなものとして2つの車両をつないでいるわけですね。
つまり、関係代名詞はこのポジションにある必要があるので、O S Vとなってしまうのもいたしかたない、ということなんです。
所有格の関係代名詞
次に、「所有格」の関係代名詞です。
a man [whose wife is a doctor] 妻が医者の男性
を例に考えてみましょう。
先行詞は人(a man)で、“whose”が関係代名詞として使われています。
ここでも関係代名詞の作る節“whose wife is a doctor”に注目してみましょう。
“whose wife”となっていますが、誰の妻がお医者さんなのでしょうか?
“a man”ですよね。
なので、この節の中では“whose”は“his”(彼の)の代わりをしています。
このように、所有、つまり「その人の」という意味を表す関係代名詞を「所有格」の関係代名詞と呼びます。
もう1つ例を見ておきましょう。
the book [whose title is interesting] タイトルが興味深い本
です。
先行詞は人以外(the book)ですが、この場合も関係代名詞“whose”を使うことができます。
何のタイトルが興味深いのかというと、“the book”のタイトルなのですから、「その本の」という所有の意味を表していますね。
ちなみに、“whose”は人以外の先行詞にも使うことができるものの、多くの場合、人の先行詞を対象に使われる関係代名詞です。
これで、主格、目的格、所有格という関係代名詞の役割を確認しました。
先ほど説明した「先行詞が何か」と組み合わせれば、使える関係代名詞が分かりますね。
実際に関係代名詞を使ってみよう!
では最後に、実際に関係代名詞を使って文を作る練習をしてみましょう。
これは彼が書いた本です。
を関係代名詞を使って考えてみてください。
まず、英語は細かい部分は後にして核の部分を先に言うので、「これは本です」を先に言います。
“This is a book”ですね。
次に、先行詞が人以外(the book)なので、関係代名詞は“which”あるいは“that”を使います。
そして、これはどんな本かというと「彼が(その本を)書いた」わけなので、“he wrote”とすれば、完成です。
節の中で“which”は目的語の役割をしているので、目的格の関係代名詞です。
目的格の関係代名詞は省略可能でしたね。
次は、
それを見つけた人はティナです。
という文を作ってみましょう。
「それを見つけた人」が主語ですが、まず核となる部分から言うので、「人」の部分である“The person”が最初に来ます。
そして、その人がどんな人かを関係代名詞以下で説明します。
先行詞が人(the person)なので、関係代名詞は“who”あるいは“that”を使います。
「(その人が)それを見つけた」のですから、“found it”と続ければ、関係代名詞の節“who/that found it”ができました。
これで、「それを見つけた人」まで言えたので、あとは“is Tina”と続ければOKですね。
“who/that”は節の中で主語の役割をしているので、主格の関係代名詞です。
ラストです。
私にはお兄さんが俳優の友達がいます。
です。
まず核となる部分から言うので、「私には友達がいます」“I have a friend”ですね。
そして、どんな友達かを関係代名詞以下で説明します。先行詞は人(a friend)ですね。
「その友達のお兄さんが俳優」なわけですから、「所有」つまり「その人の」を表す“whose”を使えばいいですね。
“whose brother is an actor.”とすれば完成です。
関係代名詞の基本の使い方まとめ
- ①先行詞(説明したい語)は何か
- ②関係代名詞の作る節での役割は何か
- -主語の働きをする・・・主格の関係代名詞
- -目的語の働きをする・・・目的格の関係代名詞
- -所有(その人の)の意味をする・・・所有格の関係代名詞
今回は関係代名詞の基本の使い方について説明しました。
どの関係代名詞を使うかをすぐに判断するにはある程度練習は必要ですが、先行詞と関係代名詞の役割が理解できていれば、英文を組み立てることができます。
次回以降の記事でさらに踏み込んで関係代名詞を説明していきますので、是非チェックしてみてくださいね。
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