関係代名詞と前置詞の位置:後ろに残るのはなぜ?前に置く場合との違いは?[029]

関係代名詞と前置詞これで解決! 話すための基礎文法
前置詞と関係代名詞

これまで、何度かに分けて関係代名詞について説明してきました。

今回は、関係代名詞と前置詞の関係に焦点を当てて説明したいと思います。

では早速始めていきましょう。

関係代名詞を使う際の前置詞の位置は?

まずはじめに、簡単に前置詞について確認しておきましょう。

前置詞とは

前置詞とは

前置詞は、

in, on, at, by, for, on, to, with, without…

などの言葉ですね。

たとえば、

This is for you.

という文では、“for”が前置詞です。

名詞や代名詞のかれるから、前置詞というわけですね。

前置詞が最後に残るのはなぜか

前置詞の位置1

では、関係代名詞と一緒に前置詞を使う場合を見ていきましょう。

the boy (who) she is talking to 彼女が話しかけている男の子

を例にしてみましょう。

まず、英語は核の部分から言いますので“the boy”ですね。

そして、“who she is talking to”と、どんな男の子かを関係代名詞以下で説明します。

 “the boy”が関係代名詞によって説明したい語、つまり先行詞で、“who”以下が先行詞を説明する語のかたまりとなっています。

関係代名詞の使い方が分からないという方は、関係代名詞の基本の使い方についての記事を是非ご覧ください。

ここでは前置詞の位置に注目したいのですが、

the boy (who) she is talking to 彼女が話しかけている男の子

と、前置詞“to”が一番最後にありますね。

ここで、

「あれ、前置詞って名詞や代名詞の前に置くのに後ろに何もないのは変じゃない?」

と思った方もいるのではないでしょうか。

その場合は「彼女はその男の子に話しかけている。」という文を考えてみましょう。

She is talking to the boy. 彼女はその男の子に話しかけている。

ですね。

前置詞“to”の後ろに“the boy”という名詞が続いています。

普通の文の並び方はこうなるのですが、関係代名詞の場合は

the boy (who) she is talking to 彼女が話しかけている男の子

と、この“the boy”の部分が先行詞としてすでに頭にありますよね。

なので、関係代名詞以下は“she is talking to”と前置詞だけで終わっているのです。

前置詞の位置2

もう1つ例を見ておきましょう。

「彼らが住んでいる家」というのを関係代名詞を使って作ってみましょう。

the house (which) they live in 彼らが住んでいる家

ですね。

関係代名詞の節の最後に前置詞“in”があります。

これも、「彼らはその家に住んでいる。」という文を考えてみると分かりやすいです。

They live in the house. 彼らはその家に住んでいる。

ですね。

この文では、前置詞“in”の後に“the house”という名詞が来ています。

先ほどの関係代名詞の例では、

the house (which) they live in

と、先行詞としてすでに前に“the house”という名詞があるので、関係代名詞以下は“(which) they live in”となります。

前置詞+関係代名詞

前置詞+関係代名詞

次は前置詞+関係代名詞の並びになる例を見ていきましょう。

先ほどの“the boy (who) she is talking to”は、以下のように別の言い方をすることができます。

the boy to whom she is talking 彼女が話しかけている男の子

と、前置詞“to”を関係代名詞の前に持ってきて、前置詞+関係代名詞の並びにすることができます。

これは、最後に前置詞がある先ほどの言い方に比べ、かなりフォーマルでかたい印象を与える言い方になります。

前置詞+関係代名詞2

もう1つの例も見ておきましょう。

“the house (which) they live in”は、別の言い方をすると、

the house in which they live 彼らが住んでいる家

と言うことができます。

前置詞+関係代名詞の並びですね。

先ほどと同様に、この並びだとフォーマルな言い方になります。

前置詞と関係代名詞をあわせて使う際に注意すべき3つのこと

注意点

このような前置詞の使い方にはいくつか注意点があります。

1つずつ確認していきましょう。

1. 前置詞+that/whoとは言えない

まずは、「前置詞+that」あるいは「前置詞+who」という言い方はできないということです。

「彼女が話しかけている男の子」と言うのに、

❌ the boy to that/who she is talking

とは言えないわけですね。

2. 前置詞が前に付くと関係代名詞は省略できない

2つ目は、関係代名詞に前置詞が付くと、関係代名詞を省略することができなくなります

たとえば、

❌ the boy to she is talking

と、目的格の関係代名詞を省略して言うことはできません。

3. 群動詞の前置詞は関係代名詞の前に出せない

3つ目は、群動詞の前置詞は関係代名詞の前に出せないということです。

たとえば、「私が探している本」と言うのに、

❌ the book for which I’m looking

とは言いません。

群動詞というのは動詞のフレーズのことで、ここでは“look for”は「~を探す」という群動詞です。

つまり、2語でセットになっているので普通は切り離せないんですね。

このような場合は前置詞+関係代名詞の並びにせずに、

the book (which) I’m looking for 私が探している本

とします。

言い方によって与える印象の違い

与える印象の違い

最後に、言い方によって与える印象の違いを確認しておきましょう。

同じ意味の文でも、関係代名詞を省略するかどうか、関係代名詞は何を使うか、前置詞をどこに置くかなどで聞き手(読み手)に与える印象が変わります。

ここでも「彼女が話しかけた男の子」を例にしてみましょう。

カジュアルなものから徐々にフォーマルなものという形で並べていきますね。

まず一番カジュアルな言い方は、

the boy she is talking to

という風に、関係代名詞を省略し、前置詞は最後に置く形です。

次にカジュアルな言い方なのは、関係代名詞を省略せず“that”か“who”を使い、前置詞を最後に置く形です。

the boy who/that she is talking to

ですね。

ここからフォーマルな言い方になっていきます。

まず、関係代名詞に“whom”を使って前置詞を最後に置く形です。

the boy whom she is talking to

です。

関係代名詞の基本の使い方の記事でも、“whom”は文章体で形式ばった言い方だと説明しましたね。

最後に、最もフォーマルな響きがあるのが、前置詞+関係代名詞“whom”を使う言い方となります。

the boy to whom she is talking

ですね。

たとえば、カジュアルな会話なのに“to whom”を使ってしまうと違和感のある言い方になってしまいます。

そのため、その言い方がカジュアルなのか、フォーマルなのかという印象の違いを意識できているといいですね。

関係代名詞と前置詞 まとめ

関係代名詞と前置詞まとめ
  • 前置詞だけ最後に残るのは、前置詞の対象が先行詞としてすでに前にあるから
  • 前置詞+whom/whichという言い方ができる
  • -前置詞+that/whoは❌
  • -前置詞が前に付くと関係代名詞は省略できない
  • -群動詞の前置詞は関係代名詞の前に出せない
  • 言い方によって与える印象が異なる
  • -前置詞+関係代名詞が最もフォーマルな言い方

今回は関係代名詞と一緒に使う前置詞についてお話ししました。

次回も関係代名詞について引き続き説明していきますので、興味のある方は是非ご覧ください。

この記事を書いた人
Momo

英語講師/翻訳者
英検1級/TOEIC980/全国通訳案内士
スタディサプリ講師(中学講座 - 英語)
2児のママ
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