『話すための基礎文法』、今回は「動名詞」について、不定詞との違いを確認しながら説明したいと思います。
みなさん、動名詞と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
動名詞は不定詞と同じ?
英語学習という旅を進めていると、突如「動名詞」というモンスターが現れました。
とりあえず「~すること」という意味は分かったけれども、それってこの前やった「不定詞」と同じということ?違うのならどう違うの?
と、疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、動名詞がどのようなものなのか、不定詞とどのように違うのかを理解してもらうために、物語調にしてイメージしやすい形で説明していきたいと思います。
まだ不定詞に関する記事や動画を見ていないと言う方は、そちらを先に見ることをおすすめします。
動名詞とは?物語調で分かりやすく説明!英文法劇場
題して、「英文法劇場~動名詞のとまどい~」
はじまり、はじまり。
むかしむかし、あるところに英語王国という国がありました。
その国では、動詞族と呼ばれる人々が王族として国を治めていました。あの「不定詞の王子様」、ペンタロウのいる国です。
この動詞族の遠い親戚に、ing家という家系がありました。
ing家の人々はいわゆる自由人で、国の統治には干渉せず、自由気ままに世界を渡り歩いているような人々です。
このing家には、ing兄弟と呼ばれる、姿のよく似た4兄弟がいました。
今回のお話の主役はこのing兄弟の1人、動名詞です。
普段は自由気ままな動名詞ですが、彼は今、ある悩みを抱えていました。
はぁ…(ため息)
おや、動名詞よ。元気がないようじゃが、どうした?
ああ、じいちゃん。なんだかさぁ、僕の存在って意味があるのかなって思っちゃってさ…
何を言っているんだ、お前らしくないな。お前はいいところがいっぱいある、とてもユニークな存在じゃないか。
動名詞・・・動詞のing形で、名詞の働きをするもの
お前は我々ing家の一員、動詞にingが付いた姿をしておるな。
“write”だったら“writing”、“meet”だったら“meeting”というような姿が、我々ing家のペンギンの特徴だ。
その動詞のing形の中でも、名詞の役割をするのが、お前(動名詞)じゃな。わしには十分ユニークな存在に思えるがのう。
そうなんだけどさ、あいつがいるじゃん…
幼馴染で、英語王国の王子のペンタロウだよ。
あいつの最近の活躍ぶりを考えると、「僕なんて…」って思っちゃうんだ。
なんじゃ、他人と比べて落ち込んどるのか。
だってさ…
ペンタロウは英語王国の王子。
それだけでもすごい立場にいるのに、不定詞のメダルというものを手にしてからはさらに大活躍してる。
元々の動詞の役割を超えて、名詞、形容詞、副詞の役割までこなしてるんだからね。
国の人々にも人気があって、みんなあいつを慕ってるよ。
で、この不定詞になったあいつの名詞の役割ってのが、僕にとっては困りものなんだ。
動名詞と不定詞はほぼ同じ意味で使える場合がある
たとえば、今までなら「テニスをするのが好き」といった文章を作りたい時にね…
“I like play tennis.”じゃ、主語に対応する動詞が2つになってしまって、文章が作れなくて困っている人がいることがあったんだ。
そんな時には僕が登場して、“I like playing tennis.”にしてあげていたんだよ。
こうすると、僕は「テニスをすること」という風に、動詞の意味を持ちながら名詞の役割をすることができるから、動詞は“like”の1つだけになって、文章が成立するからね。
でも…
同じような場面で、“I like to play tennis.”という風に、ペンタロウが不定詞として名詞の役割をして、文章を成立させるようになったんだ。
これって僕と同じ役割でしょ。
それに、不定詞としてのあいつは形容詞にも副詞にもなれるから、とんでもなくすごいやつに思えて、何だか僕に意味はあるのかな…って思っちゃうんだ。
動名詞と不定詞の違い
…(ずーん)
確かに、今回の“like”などの動詞の後に続く場合のように、動名詞と不定詞が同じように働くこともあるな。
じゃが、お前だけしか持っていない特徴もあるじゃないか。
えっ、そうかな…?
主語には普通、不定詞より動名詞が選ばれる
たとえば、「ギターを弾くのは簡単だ。」という文章を考えてみよう。
“Playing the guitar is easy.”と動名詞を使って文章を作ることができるじゃろ。
同じように、“To play the guitar is easy.”と、不定詞を使って文章を作ることもできることはできる。
この場合、どちらも「ギターを弾くこと」という主語になっておるな。
じゃが、主語になるのは普通、動名詞が選ばれるんじゃ。
不定詞を使っても文法的にはOKじゃが、形式ばった風に聞こえて、普通の文章では動名詞ほどには使われないのじゃ。
動名詞は前置詞の後に続くことができる
もちろん、他にもあるぞ。たとえば、「彼は飛行機にのるのが怖い。」という文章を考えてみよう。
“He is scared of flying.”とすれば、「飛ぶことが怖い」、つまり「飛行機に乗ることが怖い」と言うことができる。
ここでは“of”という前置詞があるな。
前置詞の後には基本的に名詞の役割をするものしか置くことができないから、“flying”という動名詞を置けるわけじゃ。
一方で、同じように名詞の役割を持っている不定詞はどうじゃろうか。
不定詞と動名詞の役割が同じなら、この文章の場合、✗“He is scared of to fly.”としたいところじゃが、それはできないんじゃ。
動名詞は前置詞の後に続くことができるというのは、お前だけの特徴じゃな。
動名詞は冠詞の後に続くことができる
こういう例もあるぞ。
たとえば、“At the writing of this book”というと、「この本を書いた時に」や「この本の執筆時に」という意味になる。
ここでは“the”という冠詞のあとに動名詞が続いておるな。
aとかtheが冠詞じゃが、この後には名詞の役割をするものしか来ないからのう。
だが、不定詞を使って、✗“At the to write of this book”とは言えないんじゃ。
どちらも名詞の役割を持っていても、冠詞の後に続けられるのは動名詞だけなんじゃな。
不定詞はマルチタスク型、動名詞は名詞特化型
不定詞と動名詞を比べると、例えるなら、名詞だけじゃなく形容詞や副詞の役割もなす不定詞はいろんな方向に手を出しているマルチタスク型。
一方で動名詞は、名前の通り名詞に特化した特化型じゃ。
その分、動名詞は不定詞の名詞の役割よりも名詞の性質が強いんじゃな。
まあ、ing兄弟の他の子らが形容詞や副詞の役割をすることができるから、ing全体で見ると十分ingもマルチなんじゃがな。
じいちゃん…!何か僕ってなかなかすごいやつな気がしてきたよ!
ほうほう、良いことじゃ。まだ、不定詞と動名詞の違いはいっぱいあるぞ。
そうなの?もっと聞かせて、聞かせて!
英文法劇場~動名詞のとまどい~【前編】まとめ
- 動名詞・・・動詞のing形の中で、名詞の働きをするもの
- 主語になるのは不定詞よりも動名詞
- 動名詞は前置詞の後に置くことができる(不定詞は✗)
- 動名詞は冠詞の後に置くことができる(不定詞は✗)
- 動名詞は名詞特化型で名詞の性質が強い
後編はこちら↓
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