【時制を使いこなす】to不定詞の完了形の使い方を例文を使ってわかりやすく解説![050]

to不定詞の完了形 話すための基礎文法
to不定詞の完了形はじめに

今回は、to不定詞の完了形についてお話しします。

to不定詞の完了形の使い方イメージ重要ポイントなどをご紹介します。

では、早速始めましょう。

to不定詞の完了形(完了不定詞)とは

まず、いわゆる普通のto不定詞を考えてみましょう。

普通のto不定詞だと…

to不定詞で過去の出来事に触れるには?

たとえば、

I’m glad to meet you. あなたに会えて嬉しいです。

のように、toに動詞の原形が続くのがto不定詞ですね。

to不定詞がよく分からないという方は、是非、以下のto不定詞に関する記事をご覧ください。

この“I’m glad to meet you.”というのは、初対面で初めて挨拶するときによく使われる表現です。

ですがこの表現、別れ際や出会ってから後日、その人に「会えた」という過去の出来事を嬉しく思っている、と伝えたいときには少し言い方が変わります。

どのように言えばいいでしょうか?

to不定詞の完了形の作り方

to不定詞の完了形の作り方

そんなときに登場するのが、今回のテーマであるto不定詞の完了形です。

まずは形から見ていきましょう。

to不定詞の完了形は、

to+have+過去分詞

という形になります。

過去分詞というのは、動詞の変形した形の1つですね。たとえば“use”なら、“use-used-used”と、原形、過去形、過去分詞形と変化します。

基本的には語尾に「ed」をつけた形が過去分詞ですが、たとえば“study”なら“y”を“i”に変えて“ed”になりますし、“eat”なら“ate”、“eaten”と変化するように、不規則動詞と言われる特殊な変化をする動詞もあります。

なので、

I’m glad to meet you.

という、先ほどのto不定詞の表現を完了形に変えると、

I’m glad to have met you.

となります。

“met”は“meet”の過去分詞の形ですね。

to不定詞の完了形が表すこと

では、このto不定詞の完了形が何を表すのかを詳しく見ていきましょう。

述語動詞と「to have 過去分詞」に注目

I’m glad to have met you.

という文を、過去から未来の時の流れを線で表して考えてみます。

まず注目するのは、この文の主語に対応する動詞、述語動詞です。

  • I ・・・ 主語(S
  • am(ここでは短縮形’m)・・・述語動詞(V

となっているので、be動詞の“am”が述語動詞に当たりますね。

このSやらVやらがよく分からないという方は、是非以下の文の要素(SVOC)についての記事をご覧ください。

to不定詞の完了形が表すこと

今確認した述語動詞の“am”は現在形なので、この時の流れの線で現在をここだとすると(画像参照)、“I’m glad”(私は嬉しい)とありますから、現在の気持ちとして嬉しいと思っていますね。

次に注目するのは、to不定詞の完了形の部分です。

I’m glad to have met you.

このようにtoとhave+過去分詞を使うと、述語動詞が表す時よりも過去のことに触れることになります。

過去のある時点で出会ったということですね。

このように、述語動詞(V)が表す時よりも過去のことに触れるというのが、to不定詞の完了形を使う上での1つのポイントとなります。

この文では、述語動詞(V)が表している、「嬉しい」と思っている状態であるのは現在、出会ったことはそれよりも前のこと、ということですね。

これで、「あなたに会えてよかったです。」といった意味合いになります。

完了形が過去に触れるために使われるケースは他にもありましたよね。

助動詞の過去を表す表現では、“should have 過去分詞”とか、“may have 過去分詞”、“must have 過去分詞”といった形をしていました。

「そんなのあったっけ?」と思われた方は、是非以下の助動詞の過去を表す表現についての記事をご覧ください。

では、to不定詞の完了形について、もう少し他の例も見てみましょう。

to不定詞の完了形が表すこと2

たとえば、

He claims to have invented the machine. 彼はその機械を発明したと主張している。

という文を見てみましょう。

こちらも時間軸を確認していきますね。

注目するのはまず述語動詞(V)ですから、“claims”ですね。主語が“he”なので“s”がついています。

「主張する」という意味の動詞で、現在形ですね。

なので、彼が主張しているのは現在のことです。

次にto不定詞の部分を見ます。

He claims to have invented the machine. 

“to have invented”と、完了形になっていますね。

完了形ということは、“claims”(主張している)ときよりも前の出来事になりますから、発明したのは過去のことです。

主張しているのは今、その機械を発明したのはそれよりも前です。

時制がずれているのが分かりますね。

もう1つ例を見てみましょう。

I pretended to have seen the movie. 私はその映画を見たことがあるふりをした。

です。

こちらも時の流れを考えましょう。

述語動詞は、“pretended”で、“pretend”(ふりをする)という動詞の過去形ですね。

なので、現在をここだとすると(画像参照)、過去形なので、「ふりをした」のは過去のことです。

I pretended to have seen the movie. 

次にto不定詞の部分を確認すると、“to have seen”と完了形になっています。

to不定詞の完了形が表すのは述語動詞が表すときよりも過去のことですから、「ふりをした」のよりも前に映画を見たということです。

実際は、“pretend”は「ふりをする」という意味なので、本当は私(I)はその映画を見ていないのですが、時間軸で言うとこうなりますよね。

こちらもふりをしたときと、映画を見たときでは同じ時ではないので、時制がずれています。

+αのポイント

過去のイメージがあるが...

これまで、to不定詞の完了形が、述語動詞が表す時よりも過去のことに触れるのに使われるということを見てきました。

これが基本だと思ってもらえればOKです。

ここからは+αの知識を紹介したいと思いますので、気になる方は引き続きご覧ください。

ここまで見てくださった方は、きっとto不定詞の完了形に、過去のイメージを持っているかと思います。

実際に、to不定詞の完了形が使われる場合の多くは、述語動詞よりも過去のことに触れる文です。

また、試験対策などを考えてもそのことを知っていれば、だいたい事足りるかと思います。

ですが、実際に英語に触れていると、こんな文に出会うことがあります。

We expect to have finished the project by the end of this year.

もし過去のイメージしか持っていないとすると、この文はどうなるでしょうか。

述語動詞は「予期する」とか「これからそうなると思う」という意味の“expect”で、現在形です。

そして“to have finished”とto不定詞の完了形が使われているので、“expect”より前のことを指しているな、と考えますね。

でもよく見ると、“by the end of this year”(今年の終わりまでに)という未来を表す言葉があります。

ここで、「あれ、このprojectを終えたのは過去のことじゃないの?」と思うかもしれませんね。

そこで、余裕がある方は知っておいていただきたいのが、次にお伝えすることです。

to不定詞の完了形の形をもう一度見てみましょう。

to+have+過去分詞

ですね。

この「have+過去分詞」の形と言えば、現在完了形の時制のときに使いますよね。

なので、このto不定詞の完了形の形は、完了形の時制の要素も持っているんです。

完了形の時制がよく分からないという方は、まずは是非、以下の現在完了形についての記事をチェックしてみてください。

完了形の時制の要素もある

完了形の時制については他の記事で詳しく見ていただくとして、ここでは本当にざっくりと完了形の時制について触れたいと思います。

過去から未来の時の流れを線で表して、現在をここだとすると(画像参照)、「過去のある時点」から「現在」までの話を対象とするのが現在完了形です。

そして、「過去のある時点」から「過去のある時点」までの話を対象とするのが過去完了形、また、「未来のある時点」までの話を対象とするのが未来完了形です。

この完了形の時制のイメージを持った上で、先ほどの文を見てみましょう。

We expect to have finished the project by the end of this year.

時の流れを見ていきます。

述語動詞は“expect”で現在形なので、現在、これからこうなると思っている、予定しているということですね。

次にto不定詞の部分を見ると、“to have finished”とあるのですが、この文を最後まで見ると、“by the end of this year”(今年の終わりまでに)と、未来を表す言葉があります。

今年の終わり、つまり年末は現在よりも先のことですね。

つまり、この“to have finished”が表しているのは、現在から年末という未来のある時点までにそのプロジェクトを終えるということ、つまり、未来完了形の意味合いになります。

予定しているのは現在、終えるのは未来である年末までのある時点ということです。

このように、to不定詞の完了形が必ず過去の意味になるわけではないということを頭の片隅にでも入れておいてもらえれば、きっと役に立つ時が来るはずです。

to不定詞の完了形 まとめ

to不定詞の完了形おわりに
  • to不定詞の完了形:to have 過去分詞
  • 述語動詞が表す時よりも過去のことに触れる
  • 必ず過去の意味になるわけではない(完了形の時制に相当する場合も)

今回は、to不定詞の完了形についてお話ししました。

to不定詞は非常に登場頻度の高い文法事項なので、この完了形の使い方を理解して、是非to不定詞を使いこなしてもらえればと思います。

このブログおよびYouTubeチャンネルでは、主に英文法や英文読解の説明をできるだけわかりやすく行っていますので、良かったらまた見に来てくださいね。

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この記事を書いた人
Momo

英語講師/翻訳者
英検1級/TOEIC980/全国通訳案内士
スタディサプリ講師(中学講座 - 英語)
2児のママ
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