【これで解決!】英語の仮定法(ifの使い方)を基礎からわかりやすく解説![047]

基礎から学ぶ仮定法 話すための基礎文法
仮定法はじめに

今回は、仮定法についてお話しします。

仮定法を理解するベースとなる直説法についても説明し、それぞれのイメージ使い方重要ポイントなどをご紹介します。

では、早速始めましょう。

英語の仮定法とは?

細かい話をする前に、まず仮定法とはどういうものなのかというお話をしたいと思います。

「もし」はどれも同じではない?

仮定法とは

仮定法と言えば、すぐに“if”が思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。

日本語で言うと、「もし~なら」です。

「もし」という言葉は、たとえば、

「もし明日が雨なら…」

とか、

「もし私があなたなら・・・」

というように、条件を挙げる時や想像するときに使えますね。

日本語で言うと、この2つの「もし」には表現の仕方に違いはありません。

ですが、考えている内容はちょっと種類が違いますよね。

「明日が雨なら…」というのは現実的で十分起こり得る、事実をベースとしたような条件なのに対し、「私があなたなら・・・」というのは、あくまでも想像、仮想の世界の話です。

私は「あなた」にはなり得ないからですから、この2つの「もし」では、実現の可能性が全然違います。

仮定法を理解する上でまず意識してもらいたいのは、日本語とは違って、英語ではどちらの「もし」なのか、つまり話し手がどう思っているのかによって明確に表現を使い分けるということです。

直説法と仮定法

直説法と仮定法

「明日が雨なら」といった現実/事実ベースの話、つまり、ありえる本当の、もしくはこの先起こりそうな内容を表す表現方法を直説法と言います。

そして、「私があなたなら」といった想像/仮想上の話、つまり、現実とは違う、あるいはこの先起こりそうにないような内容を表す表現方法を仮定法と言います。

そして、この2つの表現方法は明確に区別されます。

ではどうやって区別するのかというと、動詞の形の違いなんです。なので、動詞の形に注目するのが非常に重要となります。

では、このことを意識した上で、“if”を使った基本の4パターンの表現を確認していきましょう。

直説法の基本の使い方

まずは、直説法から見ていきましょう。

①一般的なこと、事実、習慣など

直説法1

1つ目は、一般的なこと、事実、習慣などについて話すときの“if”の使い方です。

日本語で言うと、【〇〇なら(のとき)、〇〇する】です。

これは、“if”(もし~)の部分に現在形、「〇〇する」の結果の部分も現在形を使います。

たとえば、

If babies are hungry, they cry. 赤ちゃんはお腹が空いたら泣く。

というようなときに使う“if”です。

“if”がある方が「もし~なら」という条件、もう1つの方がどうなるかという結果です。

どちらも動詞が現在形になっていますね。

もう1つ例を見てみましょう。

Water boils if it reaches 100 degrees. 水は100度に達したら沸騰する。

この例のように、if節を後ろに置くこともできます。

今回は結果が先なので、「水は沸騰する」「100度に達したら」となっていますね。

こちらも本当のこと、事実を言っているので、どちらも現在形で表します。

このパターンは、“if”を“when”で置き換えられることが多いです。

「赤ちゃんはお腹が空いたとき泣く」、とか「水は100度に達したとき沸騰する」としても、ほぼ同じですよね。

②ありえる/起こりそうな特定の状況

直説法2

次に、直説法の2つ目のパターンを見てみましょう。

ありえる/起こりそうな特定の状況を表すときの表現です。

【もし〇〇なら、○○する】となります。

これは、“if”を使うときに最もよく使う言い方ですね。

if節は現在形、「〇〇する」の方はwill+動詞原形です。

時の流れを線で表すとして、現在はここだとしましょう。(画像参照)

たとえば、

If it rains tomorrow, I’ll stay at home. もし明日雨が降ったら家にいよう。

という文を考えてみましょう。

「もし雨が降ったら」・・・現在形ですね。

「家にいる」・・・短縮していますが、“will”という助動詞に動詞の原形となっています。

ちなみに、if節の中「もし~なら」の部分は、今回のように「明日雨が降ったら」といった未来のことであっても基本的には現在形で表します。

もう1つ例を見てみましょう。

If you don’t leave, I’ll call the police. もしあなたが出ていかないなら、警察を呼びます。

「もし出ていかないなら」・・・現在形

「警察を呼ぶ」・・・will+動詞原形ですね。

先ほども触れましたが、これが“if”を使う際の最も標準的な言い方となります。

この後の仮定法を理解するためにもしっかりと押さえておきましょう。

助動詞を変更してニュアンスを変える

直説法3

ちなみに、“will”の部分、つまり助動詞の部分は、言いたい内容に応じて変更することが可能です。

たとえば、

You can meet him if you go there. そこに行けば彼に会えるよ。

なら、「あなたは彼に会える」という風に、“will”の代わりに“can”を使って「~できる」の意味を出しています。

また、

If it rains, you should stay at home. もし雨が降ったら、家にいた方がいいよ。

では、「家にいた方がいいよ」という風に、“should”で「~した方がいい」「~すべきだ」という意味を出しています。

“will”“can”“should”などの助動詞がよく分からないという方は、以下の記事で助動詞についてまとめていますので、是非そちらをご覧ください。

仮定法の基本の使い方

直説法と仮定法

ここまで、現実/事実ベースの表現である直説法を確認してきました。

次は、想像/仮想の表現である仮定法について見ていきましょう。

引き続き、動詞の形に注目してくださいね。

①現実とは違う/起こりそうにない現在/未来の想像

仮定法1

では、仮定法の1つ目のパターンを見ていきましょう。

現実とは違う、あるいは起こりそうにない現在や未来の想像を表す表現です。

文法用語では仮定法過去と言います。

【もし〇〇なら、〇〇する(のに)】という感じですね。

この場合、if節は過去形、「○○する」の方はwould+動詞原形になります。

例を見ながら確認していきましょう。

時の流れを線で表すとして、現在はここだとしましょう。(画像参照)

たとえば、

If I won the lottery, I would go abroad. もし宝くじが当たったら、私は海外に行く。

という文を考えてみます。

「もし宝くじが当たったら」・・・“win”の過去形、“won”になっていますね。

「私はは海外に行く」・・・“would”に“go”という動詞の原形が付いています。

“would”というのは“will”の過去の形なので、どちらも過去形になっているということですね。

これは「起こりそうにないことだよ」「仮想の話だよ」というのを表すために形式上過去形にしているのですが、内容としては「もしそんなことがあったら」という未来の仮定になっています。

過去形を使っていても過去の仮定ではないということをチェックしておきましょう。

もう1つ例を見ていきましょう。

今度は現在の仮定です。

If I were you, I would call him. もし私があなただったら、彼に電話する。→私なら、彼に電話する。

という文を考えてみましょう。

「もし私があなたなら」・・・be動詞の過去形“were”になっていますね。

ここで、「あれ、主語はIだからwasじゃないの?」って思った方、いい気づきだと思います。

これは仮定法の特徴(大事!)なんですが、仮定法の場合、if節のbe動詞は人称に関係なくwereを使います。

1人称の“I”でも“were”、3人称の“she”や“he”でも“were”です。

ただ、特に口語では“was”が使われることもあります。ですが、正式には“were”だと覚えておくといいですね。

逆に言えば、主語が“I”や“she”なのに“were”が使われていたら、それだけで仮定法だと分かるということです。

話が逸れましたが、「彼に電話する」という結果の方を見てみましょう。

“would call”と、“would”に動詞の原形ですね。

そしてこれは、「今もしそうだったら」という現在の仮定になっています。

しつこいかもしれませんが、もう1度言うと、形は過去でも現在の仮定や未来の仮定に使われるということをしっかり意識しておきましょう。

仮定法でも助動詞は変更可能

仮定法-助動詞

ちなみに、“would”、つまり助動詞の部分は言いたい内容に応じて変更可能です。

We could have a dog if we had a garden. もし庭があれば犬が飼えるのに。

なら、「犬が飼えるのに」という風に“would”の代わりに“could”を使って「~できる」の意味を出しています。

“could”は“can”の過去の形ですね。

これは仮定法なので、現実とは違うことを言っています。

なので、実際は庭がないので犬が飼えないということがわかりますね。

もう1つ例を見てみましょう。

If they paid me better, I might stay here. もしもっと給料がよかったら、ここに残るかもしれないのに。

“might”は“may”の過去形ですね。

これも、実際は給料が低いからここには残らないということが暗に示されています。

仮定法の動詞の変化

仮定法の動詞の変化

ではここで、仮定法の動詞の変化を確認しておきましょう。

直説法と仮定法を分けるのが動詞の形だと冒頭でお伝えしましたね。

なので、動詞の形がどのように変化するかが非常に重要です。

先ほど確認した仮定法の例は、言いたい時制が現在や未来でした。

if節(もし~ならの部分)は過去形、そして、結果「〇〇する(のに)」の部分がwould+動詞の原形でしたね。

“would”は“will”の過去形です。

では、仮定法で、過去の仮定をしたいときはどうすればいいのでしょうか。

現在や未来の仮定に過去形を使ってしまっているので、過去の話だからと言って単純に過去形を使うわけにはいきませんよね。

過去よりも過去のことを表せる時制ってあったでしょうか?

感のいい方ならピンと来るかもしれませんが、仮定法で過去のこと(もし~だったなら)を言う場合、形としては、過去完了形を使います。

過去完了形は「had+過去分詞」の形ですね。

過去完了形にはいわゆる大過去という、特定の過去よりも過去のことを指すときに使う使い方があるので、それを知っているとイメージしやすいかと思います。

過去完了形の使い方については以下の記事で詳しく説明していますので、気になる方は是非そちらをご覧ください。

そして、「〇〇したのに」という結果を表す方は、would+have+過去分詞になります。

これも、先に知っていたらわかりやすいと思いますが、助動詞の過去を表す表現ですよね。

では、このことを意識した上で、実際に例を見ていきましょう。

②起こらなかった過去の想像

仮定法2

仮定法の2つめの基本パターン、起こらなかった過去の想像を表す表現です。

ちなみに文法用語では仮定法過去完了といいます。

日本語で言うと、【もし○○だったなら、○○したのに】というときに使う“if”です。

先ほど確認したように、“if”の後は過去完了形(had+過去分詞)、「〇〇したのに」の方はwould+have+過去分詞になります。

例を見ながら確認していきましょう。

時の流れを線で表すとして、現在はここです。(画像参照)

たとえば、

If I had studied, I would have passed the exam. もし勉強していたら、その試験に受かっていたのに。

という文を考えてみます。

「もし勉強していたら」・・・had+過去分詞、つまり過去完了形ですね。

「その試験に受かっていたのに、」・・・would+have+過去分詞です。

これも、現実とは異なること、つまり実際には起こらなかった過去の想像なので、実際は勉強しなかったので受からなかったということがわかります。

「過去にこうだったら…」と仮定しているんですね。

もう1つ例を見てみましょう。

If you had asked us, we would have helped you. もし私たちに頼んでくれていたら、あなたを助けたのに。

これも、if節の方は過去完了形、もう1つの方はwould+have+過去分詞になっていますね。

この文からも、実際は頼まれなかったので助けなかった、ということがわかります。

このように、形の上では過去完了を使っていても、単に過去の仮定に使われているという点をチェックしておきましょう。

仮定法過去完了での助動詞

仮定法-助動詞2

こちらも、これまで説明してきたことと同じで、言いたいことによって助動詞は変更可能です。

たとえば、

If I had studied, I might have passed the exam.

です。

“would”の代わりに“might”を使うことで、「その試験に受かっていたかもしれないのに」という意味になります。

これも、実際には勉強しなかったので受からなかった、ということですね。

もう1つ例を見てみましょう。

If you had asked us, we could have helped you.    もし私たちに頼んでくれていたら、あなたを助けられたのに・        

「あなたを助けられたのに」という意味にするために、“can”の過去形“could”を使っていますね。

このように助動詞を変えることで、細かいニュアンスの違いを表現できます。

この文からは、実際には頼まれなかったので助けられなかったということがわかりますね。

助動詞の過去を表す表現については以下の記事で詳しく説明していますので、気になる方は是非そちらをご覧ください。

仮定法の応用(時制が異なる場合)

仮定法復習

ここまでで、仮定法の基本の2パターンを見てきました。

復習ですが、仮定法は想像や仮想の話、つまり現実とは違うことや、起こりそうにないことを言いたい時に使う表現方法でしたね。

現在/未来の仮定で【もし〇〇なら、〇〇するのに】なら、if節は過去形、もう一方はwould+動詞原形です。

過去の仮定で【もし〇〇だったなら、〇〇したのに】なら、if節は過去完了形(had+過去分詞)、もう一方はwould+have+過去分詞になります。

では、

「もし(過去に)〇〇だったなら、()〇〇する(のに)」

とか、

もし()〇〇なら、(過去に)〇〇した(のに)

といった、if節ともう一方の節とで時制が違う場合はどう言えばいいでしょうか?

すでに基本のパターンを確認してきましたから、それを応用すれば、このような言い方も表現できます。

では、最後にそれを一緒に確認していきましょう。

時制が異なるパターン①起こらなかった過去に対する現在の結果の想像

時制が異なるパターン1

では、時制が異なるパターンを見ていきましょう。

起こらなかった過去に対する現在の結果の想像を表すときの使い方です。

【もし(過去に)〇〇だったなら、()〇〇する(のに)】ですね。

この場合は、if節は過去の仮定なので、過去完了形(had+過去分詞)、もう一方は現在の結果なので、would+動詞原形になります。

例を見ながら確認していきましょう。

時の流れを線で表すとして、現在はここです。(画像参照)

たとえば、

If I had left earlier, I would be there now. もしもっと早く出発していたら、今そこにいるはずなのに。

という文を考えてみます。

「もしもっと早く出発していたら」・・・過去の仮定なので、had+過去分詞の過去完了形ですね。

「今そこにいるはずなのに」・・・これは今そうなっていたはずという現在の結果なので、would+動詞原形です。

実際には早く出発しなかったので、今まだそこには到着していない、ということがわかりますね。

このように、時制が異なる場合で少し複雑になっていても心配無用です。

しっかりと時制を確認して、いつの仮定なのか/いつの結果の想像なのかを把握すれば、特に難しい話ではありません。

時制が異なるパターン②現在の状況が違っていた場合の過去の結果の想像

時制が異なるパターン2

もう1つ別のパターンを見てみましょう。

現在の状況が違っていた場合の過去の結果の想像です。

【もし()〇〇なら、(過去に)〇〇した(のに)】というパターンですね。

これは、if節は現在の仮定なので過去形、もう一方は、過去の結果の想像なのでwould+have+過去分詞になります。

例を見ながら確認していきましょう。

時の流れを線で表すとして、現在はここです。(画像参照)

たとえば、

If I were a man, I would have talked to her, too. もし私が男なら、私も彼女に話しかけていたよ。

という文を考えてみます。

「もし私が男なら」・・・これは現在の仮定なので、過去形ですね。

「私も彼女に話しかけていた」・・・これは過去にそうなっていたはずという過去の結果なので、would+have+過去分詞です。

仮定の話なので、実際は男ではないし、話しかけてもいないことがわかりますね。

このように、現在も過去も変わっていないことの場合、基本的にif節は現在の仮定である過去形を使います。

この場合だと、男とか女とかは基本的に時を経て変わるものではないので、「もしあのとき男だったら」(過去の仮定)と過去完了形にするのではなく、「もし今男なら」という現在の仮定で過去形にすることになります。

英語の仮定法の使い方まとめ

仮定法おわりに
  • 英語は、現実的で十分起こり得る話なのか(直説法)、あくまでも想像、仮想の世界の話なのか(仮定法)で明確に表現を使い分ける
  • 直説法①(一般的なこと、事実、習慣など)- if 現在形現在形
  • 直説法②(ありえる/起こりそうな特定の状況) – if 現在形will+動詞原形
  • 仮定法①(現実とは違う/起こりそうにない現在/未来の想像) – if 過去形would+動詞原形
  • 仮定法②(起こらなかった過去の想像)- if 過去完了形would+have+過去分詞
  • 応用①(起こらなかった過去に対する現在の結果の想像)- if 過去完了形would+動詞原形
  • 応用②(現在の状況が違っていた場合の過去の結果の想像) – if 過去形would+have+過去分詞

今回は、仮定法とそのベースとなる直説法についてお話ししました。

仮定法は、しっかりと理解できれば非常に表現の幅を広げてくれる便利な文法です。

少し慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、動詞の形を意識して是非使ってみてくださいね。

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この記事を書いた人
Momo

英語講師/翻訳者
英検1級/TOEIC980/全国通訳案内士
スタディサプリ講師(中学講座 - 英語)
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