【英文読解】現在完了形やto不定詞の実際の使われ方を見てみよう![037]

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この『きほんの英文読解』のコーナーでは、英文記事の一部を使って、文法解説、英文構造の把握、重要表現などについて説明します。

また、一通り解説を終えたら、最後に英文を「前から読む」練習を一緒に行いたいと思いますので、是非最後まで見ていただければと思います。

では、早速始めましょう。

英文読解はじめに

英文精読“Are ‘Rage Rooms’ Good Mental Health Treatment?”

扱う記事

今回は、VOAの“Are ‘Rage Rooms’ Good Mental Health Treatment?”という英文記事の一部を使って英語を学んでいきたいと思います。

以下は今回扱う記事のリンクです。

タイトルは「レイジ・ルーム(怒りの部屋)は良いメンタルヘルス治療であるか?」といった意味ですね。

では、内容を見ていきましょう。

nearly

nearly

After nearly a year in pandemic lockdowns, many people have experienced stress.

意味の句切りがいいところにスラッシュ(/)を入れています。

まず見ておきたいのは、“nearly”です。

nearly ほぼ、だいたい

という意味です。

ここでは“nearly a year”とありますから、「ほぼ1年」とか「1年近く」になります。

現在完了形

現在完了形1

次は時制を確認しておきましょう。

After nearly a year in pandemic lockdowns, many people have experienced stress.

とあるので、現在完了形ですね。

have+過去分詞」となっています。

現在完了形2

現在完了形が表す内容をもう少し詳しく確認しておきましょう。

…many people have experienced stress.

という文ですね。

イメージをつかむために過去から未来の時の流れを線で表すとしましょう。現在はここです(画像参照)。

この文では、過去のある時点でストレスを経験しているのですが、現在完了形の示す範囲は過去のある時点から今までなので、この緑色の範囲(画像参照)になります。

つまり、現在とつながっていて、視点は現在に向いているわけです。

なので、この文では「これまでストレスを感じてきた」というニュアンスで、今でもストレスを感じていることを示しています。

現在どうなのかを言っているということですね。

本文中には“after nearly a year in pandemic lockdowns”とありましたから、「パンデミックのロックダウン下でほぼ1年経った」というのが過去のある時点ですね。

現在完了形については以下の前回の記事で詳しく説明していますので、よく分からないという方は是非そちらをご覧ください。

現在完了形3

本文に戻って全体の意味を取ると、

After nearly a year in pandemic lockdowns, many people have experienced stress.

パンデミックのロックダウン下で1年近くが経ち、多くの人々がストレスを感じている。

といった意味になります。

次に進みましょう。

現在完了形4

…But some people have found a much different way to beat stress – by breaking things into a million little pieces.

です。

実際の文章からは数行省略して、中略としています。

この文でも、

…But some people have found a much different way to beat stress…

と、現在完了形が使われていますね。

to不定詞(形容詞的用法)

to不定詞(形容詞的用法)

次に、

…But some people have found a much different way to beat stress…

“to beat”というto不定詞があるこの部分を見てみましょう。

このto不定詞はどのような役割をしているのでしょうか?

これは形容詞的用法と言われるto不定詞の使い方です。

形容詞は名詞を修飾するという性質を持っているので、ここでは

…But some people have found a much different way to beat stress

to不定詞の直前にある“way”(方法)という名詞について、この「方法」がどんなものなのかを後ろから説明しているわけですね。

“beat”は打ち負かすといった意味があるので、「ストレスを打ち負かす方法」つまり「ストレスを発散する方法」と言っているわけです。

「–」(ダッシュ)

ダッシュ

次は、以前も触れたことがありますがこの横線の記号、「」(ダッシュ)を確認しておきましょう。

ダッシュは言い換えや具体的な説明をするときに使われる記号です。

ここでは、

…But some people have found a much different way to beat stress by breaking things into a million little pieces.

と、ダッシュの前の“a much different way to beat stress”(ストレスを発散するための非常に変わった方法)を具体的に説明するよ、という感じで“by breaking things into a million little pieces.”と続いています。

by~ing

by~ing

では、ここで“by”を確認しておきましょう。

by~ing ~することによって

という意味で、手段を表すことができます。

「~ing」の部分は動名詞が来ているわけですが、これは“by”などの前置詞の後には基本的に名詞の働きをするものが来るからです。

“by breaking~”で「~を壊すこと」となっていますね。

前置詞の後に“break”という動詞の意味合いを続けるために動名詞の形になっています。

全体の意味を取ると、

…But some people have found a much different way to beat stress by breaking things into a million little pieces.

しかし、ストレスを発散するための非常に変わった方法を見つけた人もいる。物を粉々に壊すという方法だ。

という感じです。

since

since

次に進みましょう。

Since doing this at home could be destructive and possibly dangerous, places have been set up to permit people to destroy things legally and safely.

です。

まず見ておきたいのは“since”です。

これも以前の読解の動画で触れましたが、

since ~なので

という接続詞の意味ですね。

英文構造の確認

英文構造の確認

ここで少し英文の構造を確認しておきたいのですが、

Since doing this at home could be destructive and possibly dangerous, places have been set up to permit people to destroy things legally and safely.

の“doing”はなぜ“ing”の形になっていると思いますか?

この“doing”も動名詞です。

Since doing this at home could be destructive and possibly dangerous…

ここに“could be”という助動詞がついている動詞がありますので、この部分がこの“since”(~なので)の節の中の述語動詞(V)になります。

ということは、“could”の前までが主語(S)になりますね。

  • 主語(S):doing this at home
  • 述語動詞(V):could be

主語になれるのは名詞の役割をするものなので、動詞の“do”を“doing”にして「これを家ですること」という名詞の意味、つまり動名詞にしているんですね。

could

could

次は“could”を確認しておきましょう。

“could”は助動詞で、ここでは

could ~かもしれない、~の可能性がある

といった意味で使われています。

助動詞については、以下の助動詞に関する記事で詳しく説明していますので、よく分からないという方は是非そちらの動画をご覧ください。

ここまでで意味を取っておくと、“destructive”というのは直訳すると「破壊的な」という意味なので、

Since doing this at home could be destructive and possibly dangerous…

これを家ですると家を傷つけたり危険であったりする可能性があるので

といった意味になります。

受動態の現在完了形

現在完了形5

次の文でも

…places have been set up to permit people to destroy things legally and safely.

と、現在完了の形が使われていますね。

ここでは、

…places have been set up to permit people to destroy things legally and safely.

現在完了形「have+過去分詞」と受動態(受け身の形)の「be動詞+過去分詞」が合わさった形になって、受け身の現在完了形の文章になっています。

「場所が建てられている」とか「場所が設けられている」といった意味ですね。

to不定詞(副詞的用法)

to不定詞(副詞的用法)

次は“to permit”というto不定詞を含む

…places have been set up to permit people to destroy things legally and safely.

の部分を見てみましょう。

このto不定詞はどのような役割をしているのでしょうか?

これは、to不定詞の副詞的用法と呼ばれる使い方です。

つまり、副詞の働きをするto不定詞のことですね。

副詞は動詞、形容詞、副詞、文全体を修飾することができるのですが、ここでは、先ほど確認した述語動詞の

….places have been set up to permit people to destroy things legally and safely.

の部分をto不定詞以下が説明していると考えると良いです。

副詞的用法のto不定詞は「何のために」そうするのかという目的を表すことができるので、“to permit people…”と、人々に“permit”(~を許可する)ために場所が設けられている、と意味を取ることができます。

permit(人)to do

permit

最後に“permit”の使い方を確認しておきましょう。

permit(人)to do (人)に~することを許可する

というto不定詞を取る使い方です。

….places have been set up to permit people to destroy things legally and safely.

ここでは、

“people”(人々)に、“to destroy things legally and safely.”(合法的かつ安全に物を破壊すること)を許可しているんですね。

全体の意味を取ると、

Since doing this at home could be destructive and possibly dangerous, places have been set up to permit people to destroy things legally and safely.

これを家ですると家を傷つけたり危険であったりする可能性があるので、人々が物を壊せるようにするために場所が設けられている。

となります。

今回取り上げた表現まとめ

まとめ

ここで、今回取り上げた表現をざっとおさらいしておきましょう。

  • nearly:ほぼ、だいたい

  • 現在完了形:have+過去分詞 – 過去のある時点から今までの話をするときに使う時制

  • to不定詞(形容詞用法):前の名詞が「どんな」ものか説明
  • to不定詞(副詞的用法):「何のために?」という目的を説明(注:今回の文の場合)

  • 」(ダッシュ):言い換え、具体的な説明

  • by~ing:~することによって

  • since:~なので

  • could:~かもしれない、~する可能性がある

  • permit(人)to do:(人)に~することを許可する

練習:「前から読む」の実践トレーニング

英文を前から読む練習

では、一通り解説を終えましたので、最後に一緒に英文を「前から読む」練習をしていきましょう。

「前から読む」コツや重要性については、以下の記事で詳しく説明していますので、気になる方は是非そちらをご覧ください。

では始めましょう。

1

前から意味のかたまりごとに読んでいきましょう。

After nearly a year in pandemic lockdowns パンデミックのロックダウン下で1年近くが経ち

2

many people have experienced stress. 多くの人々がストレスを感じている。

次に進みましょう。

3

But しかし

4

some people have found a much different way 非常に変わった方法を見つけた人もいる

5

どんな方法かと言うと、

to beat stress ストレスを発散するための

6

どのようにかと言うと、

by breaking things into a million little pieces. 物を粉々に壊すことによって

次に進みましょう。

7

Since doing this at home could be destructive and possibly dangerous,

これを家ですると家を傷つけたり危険であったりする可能性があるので

8

places have been set up 場所が設けられている

9

何のためにかと言うと、

to permit people to destroy things 人々が物を壊せるようにするために

10

どのようにかと言うと、

legally and safely. 合法的かつ安全に

お疲れ様でした。

どれぐらいの長さをひとかたまりで読むかは、「意味のかたまりごとに前から読む」ができてさえいれば、ご自身のやりやすいように調整してもらえれば結構です。

英語リーディング“Are ‘Rage Rooms’ Good Mental Health Treatment?” おわりに

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回もすぐに使えそうな表現がたくさんありましたね。

文法の知識を実際に英文を読むことと結びつけることで、理解が深まる感覚を感じていただけていたら嬉しく思います。

このブログおよびYouTubeチャンネルでは、主にこのような英文読解や重要文法の説明をできるだけわかりやすく行っています。

良かったらまた見に来てくださいね!

この記事を書いた人
Momo

英語講師/翻訳者
英検1級/TOEIC980/全国通訳案内士
スタディサプリ講師(中学講座 - 英語)
2児のママ
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