『話すための基礎文法』、今回のテーマは「自動詞と他動詞」です。
自動詞と他動詞の違いがよく分からないという方は、是非ご覧いただければと思います。
一般動詞は2つに分類できる
前回のbe動詞についての記事で、動詞は大きく2つに分けられるという話をしました。
「be動詞」と「一般動詞」でしたね。
そして、この「一般動詞」はもう少し分類することができて、それが今回のテーマである「自動詞」と「他動詞」です。
自動詞と他動詞の違い:ポイントは目的語
自動詞と他動詞がどのように違うのかというと、鍵となるのは「目的語」です。
目的語を取る動詞が他動詞、取らない動詞が自動詞であると言うことができます。
ここで、目的語について少しおさらいしておきましょう。
目的語というのは、動詞の動作の対象となる言葉のことでした。文の要素についての記事でお話ししましたね。
たとえば、
I play tennis. (私はテニスをします。)
という文章を文の要素の観点で見ていくと、”I”が主語(S)、”play”が動詞(V)、”tennis”が目的語(O)となります。
ここでは、”tennis”という言葉が”play”という動詞の目的語になっています。
「(スポーツをプレイ)する」という動詞”play”の動作の対象となっているのが”tennis”という言葉ですよね。
なので、”tennis”は目的語であることが分かります。
目的語を取る動詞が他動詞ですから、ここでは”play”が他動詞であるということが分かりますね。
他動詞:目的語を取る
他動詞についてもう少し例を見ていきましょう。
繰り返しになりますが、目的語を取る動詞が他動詞です。
I learn English.(私は英語を学びます。)
と言うと、”Enlglish”という言葉が目的語になっていますね。
“learn”という動詞の動作の対象になる言葉”English”が、動詞のすぐ後に置かれています。これが目的語です。
He bought some books.(彼はいくつかの本を買いました。)
という文章では、「いくつかの本を」という”some books”の部分が目的語ですね。
また、
She baked a cake.(彼女はケーキを焼きました。)
という文章でも、”a cake”という言葉が動詞の”baked”のすぐ後に置かれて、動詞の動作の対象を表しているので目的語になっています。
つまり、上の3つの文章での”learn”、”bought”、”baked”という動詞は、他動詞として使われていることが分かりますね。
自動詞:目的語を取らない
では、自動詞についてはどうでしょうか。自動詞は目的語を取らない動詞です。
例を見ていきましょう。
She smiled. (彼女はほほえみました。)
という文章では、動詞の”smiled”の後に特に何も言葉が無くても文章が成立していますよね。
なので、この動詞は目的語を取らない、つまり目的語はいらないということで、自動詞として使われているのが分かります。
次の例を見ていきましょう。
I go to school every day.(私は毎日学校に行きます。)
という文章です。
もしかしたら「学校に」という言葉が目的語じゃないかと思う方がいるかもしれませんね。
しかし、ここでは”to”という言葉が無いと”school”という言葉を置くことができていません。
先ほど見た他動詞の例のように、動詞のすぐ後に動詞の動作の対象となる言葉を置けていないということです。
そのため、ここでは”go”が自動詞として使われているのが分かります。
もう1つ例を見てみましょう。
The man died last year.(その男の人は昨年亡くなりました。)
この文でも目的語にあたる語、つまり動詞の動作の対象になる言葉がありませんから、”died”は自動詞であることが分かります。
新しい動詞を学んだら、自動詞か他動詞かチェックしよう!
辞書で動詞を調べると、辞書によって表記は違うものの、自動詞か他動詞かが必ず書かれています。
なので、新しい動詞を学んだら、意味とあわせて自動詞か他動詞かもチェックするようにするといいですね。
自動詞・他動詞のどちらの役割も持つ動詞もある
動詞の中には、1つの動詞で自動詞の役割も他動詞の役割もするものがあります。
例を見ていきましょう。
She sings well. (彼女は上手に歌をうたいます。→彼女は歌が上手い)
という文章では、目的語がありませんね。
「上手に」歌うと言っているだけで、動詞の動作の対象となる語がありません。
なので、”sings”はここでは自動詞として使われているのが分かります。
一方で、
She sang the song. (彼女はその歌を歌いました。)
と言うと、「その歌を」という”the song”が”sang”(”sing”の過去形)という動詞の動作の対象になっています。つまり、目的語になっていますね。
なので、ここでの”sang”は他動詞として使われているのが分かります。
このように、同じ”sing”という動詞でも、自動詞の使い方と他動詞の使い方のそれぞれがあるということです。
自動詞と他動詞 まとめ
- 一般動詞には自動詞と他動詞の2種類がある
- 自動詞と他動詞の違いは「目的語を取るかどうか」
- 自動詞:目的語を取らない
- 他動詞:目的語を取る
今回は自動詞と他動詞の役割とその違いについて説明しました。
どのように違うか、どのように見分けるのかが分かったと思っていただけたら幸いです。
次の記事では名詞について詳しく見ていきましょう。
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