先行詞は何?関係代名詞whichの非制限用法(継続用法)の使い方[031]

関係代名詞,whichはちょっと特別 話すための基礎文法
関係代名詞,whichはじめに

今回は、前回お話したコンマのつく関係代名詞、非制限用法の中でも、“which”に焦点を当てて説明したいと思います。

文章でも会話でも非常によく使われるものなので、しっかりとイメージをつかんでいただけたら幸いです。

では早速始めましょう。

非制限用法(継続用法)の関係代名詞whichにしかできないこと

まず、前回の記事で説明した関係代名詞の非制限用法についてざっとおさらいしておきましょう。

関係代名詞の非制限用法(継続用法)とは

非制限用法おさらい

たとえば、

my sister, who was sitting next to him

のように、コンマで区切られる関係代名詞が非制限用法(継続用法)の使い方です。

この例で関係代名詞が無かったら…と考えてみると、

my sister

ですから、すでに「私の姉(妹)」のことを言っているのが明らかになっています。

そこに、コンマと“who was sitting next to him”を続けると、「私の姉は彼の隣に座っていた」という情報が足されます。

つまり、このコンマのある関係代名詞の使い方(非制限用法)がしているのは、「何(誰)のことを言っているか分かる状態で、補足情報を足す」ということでしたよね。

, whichはちょっと特別

whichは特別

この関係代名詞の使い方は、文脈によって“who”でも“whom”でも“whose”でも、そして“which”でも可能です。

ですが、その中でも“which”だけはちょっと特殊で特別なんです。

詳しく見ていきましょう。

まずは前回も確認した“which”の使い方です。

He took me to Vancouver, which I had never visited before.

という文では、コンマと関係代名詞“which”がありますね。

コンマがありますから、これは非制限用法、つまりこの“which”以下の部分は関係代名詞の前にある“Vancouver”の補足情報になっています。

意味を取ると、

He took me to Vancouver, which I had never visited before.

彼は私をバンクーバーに連れていきました。バンクーバーというのは、私がそれまで訪れたことのなかった場所でした。

なので先行詞、つまりここで関係代名詞が補足情報を足している対象となるのは、直前の名詞“Vancouver”になります。

前にある名詞を対象とするのは、たとえば

This is the book which he wrote.

などのコンマのない関係代名詞のときと同じですよね。

この文では、「これが彼が書いた本です。」と、関係代名詞以下が直前の名詞“the book”を説明しています。

つまり、“the book”が先行詞ですね。

コンマのある関係代名詞(非制限用法)とコンマのない関係代名詞(制限用法)の違いがよく分からないという方は、是非、以下の非制限用法に関する記事をご覧ください。

先行詞は直前の名詞?

先行詞は直前の名詞?

では、“which”を使った別の例を見てみましょう。

Som passed the exam, which surprised everyone.

です。

コンマと関係代名詞“which”がありますから、“which”以下は補足情報ですよね。

ではこの関係代名詞の先行詞、つまりこの補足部分を足す対象となるものは何でしょうか?

先ほどの例と同じなら、直前の名詞なので、“the exam”(試験)ですね。

ですがそれだと、この試験自体がみんなを驚かせた、という意味になってしまいます。

それがこの文章で言いたいことなのでしょうか?

ちょっと違いますよね。

関係代名詞の非制限用法whichは文全体が先行詞になることも

先行詞は文全体

もう一度考えてみましょう。

Som passed the exam, which surprised everyone.

“which surprised everyone”(みんなを驚かせた)という関係代名詞以下の部分の対象になるものは何でしょうか?

何がみんなを驚かせたのかというと、前にある文の

Som passed the exam  サムがその試験に合格した

ことですよね。

なので、この関係代名詞“which”の先行詞は、前の文全体ということになります。

コンマのある非制限用法の“which”だけは、このような使い方が可能なのです。

全体の意味を取ると、

Som passed the exam, which surprised everyone.

サムはその試験に合格したのだが、そのことはみんなを驚かせた。

という感じになります。

先行詞が節の場合

もう1つ例を見ておきましょう。

She said she didn’t like him, which wasn’t true.

です。

コンマと関係代名詞“which”がありますから、“which”以下は補足情報ですね。

では今回は先行詞は何になるでしょうか?

関係代名詞以下は“which wasn’t true”(それは本当ではなかった)となっています。

これは、彼女が言った内容である“she didn’t like him”(彼が好きじゃない)に付け足した補足情報ですよね。

つまり、今回は関係代名詞の前にあるこの“she didn’t like him”という一部分(節)が先行詞となっています。

“which”はこのような使い方もできるということですね。

全体の意味を取ると、

She said she didn’t like him, which wasn’t true.

彼女は彼のことが好きではないと言った。ちなみに、それは本当のことではなかった。

といった意味になります。

前置詞と非制限用法(継続用法)のwhich

前置詞とwhich

最後に前置詞を使う例も見ておきましょう。

Tom arrived late, which he apologized for.

です。

コンマと“which”がありますから、“which he apologized for”の部分が前の文全体、“Tom arrived late”(トムは遅れて到着した)の補足情報になっています。

前置詞の“for”が最後に残るのは、“apologize for” (~のことを謝る)の対象が先行詞である

Tom arrived late

の部分で、既に関係代名詞の前に出ているからですよね。

全体の意味を取ると、

Tom arrived late, which he apologized for.

トムは遅れて到着した。ちなみに、彼はそのことを謝った。

という感じになります。

この文は別の言い方をすると、

Tom arrived late, for which he apologized.

と、“for”を“which”の前に持ってきて、「前置詞+関係代名詞」の並びに言い換えることもできます。

このあたりは、コンマのない関係代名詞と同じですね。

関係代名詞と前置詞については別の記事で説明していますので、ちょっとよく分からないという方は是非そちらをご覧ください。

関係代名詞の非制限用法(継続用法)whichの使い方 まとめ

非制限用法のwhich まとめ
  • 非制限用法(継続用法)の関係代名詞の中で“which”はちょっと特別
  • “, which”は直前の名詞だけでなく、文全体や節も先行詞にできる

今回はコンマのつく関係代名詞の使い方、非制限用法の中でも重要な“which”について説明しました。

非常に便利な表現なので、是非使ってみてくださいね!

この記事を書いた人
Momo

英語講師/翻訳者
英検1級/TOEIC980/全国通訳案内士
スタディサプリ講師(中学講座 - 英語)
2児のママ
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