『話すための基礎文法』、今回は前回に引き続き「冠詞」についてお話ししていきたいと思います。
今回のテーマは、冠詞の“the“です。“the”の様々な使われ方について見ていきましょう。
![theはじめに](https://minnanokisoeigo.com/wp-content/uploads/2020/07/スライド14-4-1024x576.jpg)
「その~」だけじゃない the の使い方
![theおさらい](https://minnanokisoeigo.com/wp-content/uploads/2020/07/スライド2-8-1024x576.jpg)
まず、前回お話しした冠詞の“the”の基本的な使い方についておさらいしておきましょう。
冠詞を理解する上での非常に大事な考え方として、「どれを指しているのかが明らかである」ときに“the”を使う、と説明しました。
たとえば、ある会話の中で“the dog”と言うと、それを聞いている人は「ああ、あの犬のことね」と分かることが前提にあります。
このような場合には、冠詞の“a”ではなく“the”を使うことになるわけです。
これが“the”の基本なのですが、他にも“the”は以下のような様々な形で使われることがあります。
![theの様々な使われ方](https://minnanokisoeigo.com/wp-content/uploads/2020/07/スライド3-8-1024x576.jpg)
1つずつ詳しくみていきましょう。
1つしかないものを指すthe
まず、1つしかないものについて触れるときに使われる“the”です。
![1つしかない](https://minnanokisoeigo.com/wp-content/uploads/2020/07/スライド4-9-1024x576.jpg)
これは、「1つしか存在しないため、どれを指しているか明らかなもの」について使われます。
たとえば、
The earth goes around the sun.(地球は太陽の周りを回っています。)
と、ある会話で言ったとすると、話している人も聞いている人も、
「えっ、地球ってどの地球のこと?」とか、「太陽ってどの太陽のこと?」とはならないですよね。
地球と言えばこの地球ですし、太陽といえばあの太陽です。
このように、1つしかないために、明らかにそれを指していると分かるものについては、初めて会話に登場する場合であっても“the”を使うことになります。
このルールは何も、世界に1つしかないものだけを指すときに適用されるわけではありません。
![1つしかないtheの例](https://minnanokisoeigo.com/wp-content/uploads/2020/07/スライド5-8-1024x576.jpg)
たとえば、
Where is the bathroom? (トイレはどこですか?)
という言い方をすることがあります。
これは、そのフロアやその建物にトイレが1つしかないという前提で付けられた”the”です。
また、
We talked to the CEO of XYZ. (私達はXYZ社のCEOに話しかけました。)
という文章でも、CEOというのは会社のトップですから、1人しかいないですよね。
なので、このCEOについても、初めて会話の中に登場したとしても“a”ではなく“the”を使うことになります。
また、
You are the only person I can rely on. (あなたは私が頼ることができる唯一の人です。)
の場合も、そもそも“only”という言葉が1つしかないものを指すときに使われますよね。
「唯一の~」「たった1つの~」という意味です。
なので、“only”を使うときは基本的に“the”とセットで使うことになります。
play the 楽器
![play the 楽器](https://minnanokisoeigo.com/wp-content/uploads/2020/07/スライド6-8-1024x576.jpg)
次は楽器について使われる”the”です。
これはおなじみの表現かと思いますが、“play the 楽器“の言い方ですね。
She plays the piano. (彼女はピアノを弾きます。)
と言うと、特定のピアノのことを指しているわけではなく、慣用的にこのような言い方をすることになります。
楽器が変わっても同じです。
He’s good at playing the guitar. (彼はギターを弾くのが得意です。)
でも、“play the guitar”と言うことになりますね。
the+形容詞
![the+形容詞](https://minnanokisoeigo.com/wp-content/uploads/2020/07/スライド7-8-1024x576.jpg)
次は、“the”+形容詞の形です。
これは英文の読解などで大事になってくるルールですね。
“the”と形容詞がセットで使われると、多くの場合、形容詞+“people”と同じ意味になります。
具体的な例を見ていくと、
the rich = rich people
というように、“the rich”というと、「裕福な人」を指すことになります。
同じように、
the young, the unemployed
といった言い方もできます。
“the young”は“young people”、つまり「若者」です。
“unemployed”は「雇用されていない」という意味の形容詞なので、“the unemployed”は「失業者」を指すことになりますね。
序数、最上級
![序数、最上級](https://minnanokisoeigo.com/wp-content/uploads/2020/07/スライド8-8-1024x576.jpg)
次は、序数や最上級と一緒に使われる“the”です。
序数というのは、「1番目の~」とか「2番目の~」と言うときの数字ですね。
たとえば、
the first person (最初の人)
には、“first”(1番目の)という序数があるので、“the”がセットで付いてくることになります。
最上級を表す表現でも同様です。
the highest mountain (1番高い山)
では、“highest”(最も高い~)が最上級の形です。
これも、初めて会話の中で出てきたとしても、冠詞の“the”を使うことになります。
固有名詞に使われる“the”
![固有名詞に使われる"the"](https://minnanokisoeigo.com/wp-content/uploads/2020/07/スライド9-8-1024x576.jpg)
次は、固有名詞で使われる“the”です。
固有名詞というのは、人の名前や建物の名前など、そのものに特有の名前のことですね。
たとえば、“I’m Pentaro.”というと、“Pentaro”は名前なので固有名詞です。
固有名詞は普通、“the”と結びつかないように感じる方も多いかと思いますが、固有名詞に”the”が使われる例もあります。
実際に例を見ていきましょう。
固有名詞(国名)
![固有名詞(国名)](https://minnanokisoeigo.com/wp-content/uploads/2020/07/スライド10-9-1024x576.jpg)
まず、特定の国の名前に“the”が使われることがあります。
the United States(アメリカ合衆国)
the Netherlands(オランダ)
などがその例です。
この場合は、国名自体に“the”が含まれています。
どのようなときに国名に“the”が使われるのかと言うと、国の名前自体が複数形になっていると、”the”がセットで付けられます。
アメリカのように、いろいろな地域が合わさって1つの国となっている場合に、複数形の名称が付いていることがあります。
そうなると、“the”が一緒に国名として使われるというわけです。
また、
the republic of Korea (韓国)
についても“the”が使われています。
韓国は普通“South Korea”と呼ばれますが、正式名称は“the republic of Korea”です。
“republic”(共和国)という言葉が国名に付いていると、“the”が頭に付けられることになります。
このように、国名にも“the”が使われる場合があるわけですね。
固有名詞(地理)
![固有名詞(地理)](https://minnanokisoeigo.com/wp-content/uploads/2020/07/スライド11-8-1024x576.jpg)
次は地理的な名称に使われる“the”です。
たとえば、
the Nile (ナイル川)
では、固有名詞の“Nile”に“the”が付いています。
the Pacific Ocean (太平洋)
も同様ですね。
the Himalayas (ヒマラヤ山脈)
の場合は、国名で紹介したものと似ていますね。
いくつかの山が合わさって山脈となっているので、名称自体が複数形となっています。
このような場合は“the”がセットになって使われます。
固有名詞(建物)
![固有名詞(建物)](https://minnanokisoeigo.com/wp-content/uploads/2020/07/スライド12-5-1024x576.jpg)
最後に建物の例です。
有名な建物を指す場合に、固有名詞に冠詞の“the”が使われることがあります。
たとえば、
the Eiffel Tower (エッフェル塔)
は、固有名詞に“the”が使われる例ですね。
the Louvre (ルーブル美術館)
the Empire State Building (エンパイヤ・ステート・ビルディング)
も同様です。
このように、有名な建物を指す際に、固有名詞に“the”が使われることがあります。
theの様々な使われ方 まとめ
!["the"まとめ](https://minnanokisoeigo.com/wp-content/uploads/2020/07/スライド13-4-1024x576.jpg)
- 1つしかないものは“the”
- play the 楽器
- the+形容詞 = 形容詞+people
- 序数、最上級は“the”とセット
- 固有名詞にも“the”が使われることがある
今回は、“the”の様々な使われ方について説明しました。
前回ご紹介した基本的な“the”の使い方に加えて、“the”がいろいろな場面で使われていることがお分かりいただけたかと思います。
細かい部分にはなりますが、冠詞の理解というのは英語の考え方を理解する上で重要です。
なので、この記事を通して少しでも具体的なイメージをつかんでいただけていたら幸いです。
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