英語で無冠詞になるのはどんなとき?冠詞がつかないパターンを解説![048]

冠詞がいらない? 話すための基礎文法
無冠詞はじめに

今回は、無冠詞についてお話しします。

日本人が苦手としがちな英語の冠詞について確認し、どんな場合に無冠詞になるかをご紹介します。

では、早速始めましょう。

英語の冠詞とは/無冠詞って何?

まず、冠詞について復習しておきましょう。

冠詞とは

冠詞とは

冠詞とは名詞の前に置かれ、特定/不特定を表す言葉です。

具体的には、“a”もしくは“an”と、“the”ですね。

冠詞や“a”と“the”の使い分けについては以下の記事で詳しく説明していますので、よく分からないという方は是非そちらをご覧ください。

ここでも簡単に冠詞の例を見ていきましょう。

Tom has a dog. トムは一匹の犬を飼っている。

“dog”という名詞の前に単数のときに使う冠詞“a”がついていますね。

There is an apple on the table. テーブルの上にりんごが1つある。

“apple”という名詞は母音の音で始まっているので、“an”という冠詞になります。

My sister made the bag. 私の姉がそのカバンを作った。

どれのことを言っているか明らかなときは、特定を表す冠詞“the”を使いますね。

無冠詞とは

無冠詞とは

では、今回のテーマである無冠詞とはどういうものでしょうか。

無冠詞というぐらいですから、冠詞が無い、つまり、名詞に先ほど確認した冠詞(a/an/the)がつかないときのことを指します。

例を見ていきましょう。

たとえば、

She likes dogs. 彼女は犬が好きだ。

“dogs”という名詞の前に冠詞がありませんね。

I eat rice every day. 私は毎日お米(ライス)を食べる。

“rice”という名詞の前には冠詞がついていません。

He usually goes to bed at ten. 彼は普段10時に床につく。

こちらも“bed”の前には冠詞がありませんね。

このような文が無冠詞の例となります。

無冠詞になる(冠詞をつけない)とき

冠詞がつかないとき

では、具体的に無冠詞となるのはどのようなときかを確認しましょう。

無冠詞になる例は細かく挙げるとたくさんあるのですが、この記事では、その中でも基本となるパターンを大きく4つに分けてご紹介したいと思います。

  • 複数形の可算名詞を使うとき
  • 不可算名詞を使うとき
  • 機能 / 目的 / 役割などに焦点が当たっているとき
  • その他(慣用句や固有名詞など)

では、早速1つ目から詳しく見ていきたいと思いますが、その前に可算名詞と不可算名詞について復習しておきましょう。

可算名詞と不可算名詞

可算名詞不可算名詞とはどんなものだったでしょうか。

以前、このテーマだけで以下の記事を書いていますので、気になる方はそちらも見ていただだければと思います。

ここでもざっと確認しておきましょう。

可算名詞と不可算名詞

名詞というのは大きく2種類に分けることができます。

それが、可算名詞と不可算名詞です。つまり、数えられる名詞と、数えられない名詞ですね。

この2つを分ける「数えられる」ということの基本のイメージは、

  • 他と区別がつくか
  • はっきりとした形(区切り)があるか

です。

可算名詞を考えると、たとえばペンギンなら、どこまでが1羽のペンギンか分かり、他のペンギンと区別できますよね。

一方で不可算名詞は、境界がぼんやりしていたり、はっきりとした形や区切りがなかったりするものが多いです。

例を挙げると、犬、リンゴ、カバンなどは可算名詞、お米、水、情報などは不可算名詞になります。

では、可算名詞と不可算名詞については確認できましたので、無冠詞になるときの話に戻りましょう。

複数形の可算名詞を使うとき

複数形の可算名詞を使うとき

まず1つ目のパターン、複数形の可算名詞を使うときです。可算名詞は、数えられる名詞のことですね。

たとえば、

She likes dogs. 彼女は犬が好きだ。

という文を見てみましょう。

ここでは“dog”(犬)という名詞が複数形になって“dogs”となっています。

冠詞はついていませんね。

この場合、「彼女は犬全般が好き」という意味になります。

「あの犬が好き」などといった特定の話ではなく、基本的に犬という動物が好きだということです。

もう1つ例を見てみましょう。

I need shoes for the party. そのパーティーのための靴が必要だ。

“shoes”に注目してみましょう。“shoe”(靴)は基本的に2足セットなので、複数形で使うことが多いですね。

ここにも冠詞がありません。

これは、「パーティーのためになにかいい靴を用意しなきゃ」といった感じで、特定の靴が頭に浮かんでいるわけではないんですね。

このように、一般的なことを言うときや、そのものが特定されていないとき、複数形の可算名詞は無冠詞で使われます。

これは、「複数形なら冠詞がつかない」と言っているわけではないのでご注意ください。

特定されているとき、つまり、どれを指しているか明らかなときは、たとえば、

The shoes cost me $25. その靴は25ドルだった。

という風に、複数形でも“the”という冠詞がつきます。

不可算名詞を使うとき

不可算名詞を使うとき

では、2つ目のパターンを見ていきましょう。

不可算名詞を使うときです。不可算名詞は、数えられない名詞ですね。

たとえば、

I eat rice every day. 私は毎日お米を食べる。

という文を見てみましょう。

“rice”は不可算名詞で、冠詞がついていませんね。

これは、たとえば「パンじゃなくてご飯を食べる」というような感じで、「特定の米を食べる」ということではないので無冠詞となっています。

もう1つ例を見てみましょう。

Water is essential for life.  水は生命に欠かせないものだ。

“water”と“life”という名詞、どちらも無冠詞になっていますね。

これは一般的は話として「水というものは生命全般に非常に重要」という意味になるので、無冠詞となります。

先ほどの複数形のときと同じで、一般的なことを言うときや、特定されていないとき、不可算名詞は無冠詞になります。

もちろん、「不可算名詞だからいつも冠詞がつかない」というわけではありません。

特定されているものを言う場合なら、たとえば、

The water is clean and clear. その水はきれいで澄んでいる。

という感じで、冠詞の“the”がつきます。

ちなみに“the water”と言うと、水そのものを指す場合だけでなく、水が溜まっている場所を指すときにも使われることがあります。

機能/目的/役割などに焦点が当たっているとき

機能、目的、役割などに焦点が当たっているとき

では、3つ目のパターン、機能 / 目的 / 役割などに焦点が当たっているときです。

たとえば、

He usually goes to bed at ten. 彼は普段10時に床につく(寝る)。

という文を見てみましょう。

“bed”という名詞は可算名詞なのにも関わらず、複数形でもないのに前に冠詞がついていません。

これは、“go to bed”が「ベッドという物のところに行く」という物理的な意味ではなく、「寝る」という意味を表す慣用句だからです。

「“bed”は寝るところ」という機能や目的、役割に焦点が当たっているので、このような場合は無冠詞になります。

別の例を見てみましょう。

They go to school every day. 彼らは毎日学校に行く。

これも“school”という名詞の前に冠詞がありませんね。

”go to school”は学校の建物そのものに行くことを意味しているというよりも、「学校に通う」「学校に授業を受けに行く」といった学校の持つ機能に焦点が当たっている表現です。

なので、ここでも先ほどの“go to bed”と同じように無冠詞になるわけです。

他にも無冠詞になる例を見てみましょう。

We traveled by bus. 私達はバスで移動した。

“bus”は数えられる名詞なのに、冠詞がついていませんね。

“by bus”というのは、「バスで」移動したという交通手段を表しています。

バスという物自体のことを言っているのではなく、手段として見ているので無冠詞となっています。

先ほどから少し触れていますが、物や場所そのものとしてその名詞を使うときは冠詞が必要となります。

たとえば、

She was lying on the bed. 彼女はベッドに横になっていた。

では、“bed”の前に“the”という冠詞が付いていますね。

“go to bed”(寝る)と違って、これは彼女が横になっているベッドという物、あるいは場所そのものを指しているので、冠詞がつくということをチェックしておきましょう。

その他(慣用句、固有名詞など)

その他(慣用句、固有名詞など)

最後にこれまで紹介したもの以外の例をその他としていくつか挙げたいと思います。

たとえば、

The wedding took place in Paris. その結婚式はパリで行われた。

です。

“place”という名詞の前に冠詞がありませんが、それはこの“place”が“take place”という慣用句、熟語の一部として使われているからです。

「起こる」とか「行われる」という意味ですね。

“take place”で1つの表現、熟語なので、このような場合も冠詞はつきません。

同じような例をもう1つ見てみましょう。

Uranus was discovered by chance. 天王星は偶然発見された。

ここでも“chance”が無冠詞となっていますが、これも“by chance”(偶然)という慣用句の一部だからです。

“by chance”という1つのまとまりで意味を作っていると思えばいいですね。

別の無冠詞になる例も見てみましょう。

We visited Vancouver last year. 私達は昨年バンクーバーを訪れた。

普段から何気なく使えていると思いますが、バンクーバーといった都市の名前なども冠詞はつきませんね。つまり、固有名詞です。

実は、固有名詞に“the”という冠詞が使われる例もあるのですが、そちらは“the”についてまとめた以下の記事でご紹介していますので、気になる方は是非そちらをご覧ください。

もう1つ例を見てみましょう。

Mount Fuji is an active volcano. 富士山は活火山だ。

ここでも、“Mount Fuji”の前には冠詞がつきません。こちらも固有名詞の例ですね。

無冠詞になるとき まとめ

おさらい

ここまでで、無冠詞になるときの基本の4パターンを見てきました。

  • 複数形の可算名詞を使うとき
  • 不可算名詞を使うとき
  • 機能 / 目的 / 役割などに焦点が当たっているとき
  • その他(慣用句や固有名詞など)

他にも無冠詞になる細々とした例はあるのはあるのですが、今回は特によく目にするパターンをご紹介しました。

冠詞おわりに

冠詞は日本語にはない英語の特徴なので、是非次に英文を目にするときには冠詞に注目してみてくださいね。

このブログおよびYouTubeチャンネルでは、主に英文法や英文読解の説明をできるだけわかりやすく行っていますので、良かったらまた見に来てくださいね。

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この記事を書いた人
Momo

英語講師/翻訳者
英検1級/TOEIC980/全国通訳案内士
スタディサプリ講師(中学講座 - 英語)
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