突然ですが、あなたは
「英語学習の成果をなかなか感じられない」
とか、
「学んだはずの知識が身についていない」
と感じることはありませんか?
私自身、長く英語学習を続ける中でこのような状態には何度も陥ってきました。
こうなってしまうと、自信がなくなるし、モチベーションも下がるしで、苦しいですよね。
実はそんな時って、受け身の姿勢で英語学習をしてしまっているんです。
これではなかなか効果を感じることができません。
そこで今回は、効果的に知識を身につける、主体的な学習者になるために必要な学習姿勢やマインドセットについて、3つのポイントをご紹介したいと思います。
私自身の英語学習の経験や、英語を教えるという立場から見て、どんどん伸びる人とそうでない人の違いからわかったことをベースにした内容となっています。
少しでも英語学習に励んでいるみなさんの参考になれば幸いです。
ちなみに、英語学習における大前提となる大事なことについては、こちらの記事にまとめていますので、よろしければそちらもチェックしてみてください。
ではさっそく始めましょう。
主体的な学習者になるための3つのポイント
主体的な学習者になるための3つのポイントをご紹介します。
- 「自分で」学ぶ、「自分が」学ぶ意識を持つ
- 学ぶ機会を積極的に取りに行く
- 頭をひねる(試行錯誤する)癖をつける
それぞれ詳しく説明していきますね。
学習に自分軸を持つということ
まず1つ目のポイント、「自分で」学ぶ、「自分が」学ぶ意識を持つ、です。
これはどういうことか、まず概念の部分からお話しします。
まず第一に、知識やスキルを身につけるために工夫し行動するのは、自分です。
何を「する」のも「しない」のも選択しているのは、自分です。
自分に合う学習法を探し、判断するのは、自分です。
要は、学習に際して自分軸を持つということですね。
この「自分で」学ぶ、「自分が」学ぶという意識が欠けていると、
勉強しているはずなのに全然知識が身につかず、それゆえに学習に面白さを感じられなかったり…
思考が停止して、「これをするだけで英語がペラペラになる!」といった魔法のような謳い文句の教材に飛びついてしまったり…
英語学習をしているつもりで実際はだらだらとしてしまったり…
ということが起こります。
じゃあどうすればいいかと言うと、学習に自分軸を持つ上でまず確認してもらいたいのが次の3つの点です。
1つ目は、気になった単語や表現をすぐに調べる癖はついているか、です。
これは以下の英単語の覚え方の記事でもお話ししているのですが、知識を定着させるためには、疑問が湧いたらまずすぐに自分で調べることが非常に重要です。
まずは手元にある教科書や参考書で調べてみたでしょうか?
本棚のこやしにしてしまってはもったいないですよ。
また、言わずもがなですが、今はパソコンやスマホですぐにほとんど何でもある程度は調べられる時代です。
オンライン辞書でも構いません。すぐ調べる癖がついているでしょうか?
最近ではさらにテクノロジーは進化し、ChatGPTなど、AIを活用したサービスが無料や低額で誰でも利用できるようになっています。
積極的にそれらを知り、活用しているでしょうか?
まずはこのような手元にあるリソースを活用して、すぐに自分で調べる癖をつけましょう。
2つ目は、学んだ内容を必要に応じて繰り返し復習しているか、です。
英語を学ぶときにメモを取ったり、学んだ内容を整理したりすることがあるかと思いますが、必要に応じてそれらを見返して復習しているでしょうか。
また、一度やりきった教材があるとしたら、曖昧な部分を繰り返し復習していますか?
学んだことを一度で完璧に覚えることは、誰にとっても困難です。
そのため、英語学習には反復することが非常に重要となります。
学んだ内容をしっかりと身につけられるように、反復学習を意識して行いましょう。
3つ目は、今何のために目の前の学習をしているのかを認識できているか、です。
「自分が」学ぶ、「自分で」学ぶためには、「自分」のために目的意識を持つことが必要です。
今読んでいるその英文、今見ているその英語の動画。
英語学習のために行っていることだと思いますが、具体的にどんな点を改善、あるいは向上したくて取り組んでいるのでしょうか。
語彙の強化でしょうか?自然な表現を知ることでしょうか?リスニング力アップのためでしょうか?
学習を継続していると、こなすことが目的のようになってしまって、この点を忘れがちです。
是非、何のために今学習しているのかを意識してみるようにしましょう。きっと違いが出てくるはずです。
ここまで、「自分で」学ぶ、「自分が」学ぶということをお話ししてきましたが、これは何も「全部自分で解決しなくてはならない」というわけではありません。
自分だけではどうしても分からないことも出てくるはずです。
そんな時、学生さんや塾・予備校などに通っている方、英会話スクールやオンライン英会話で授業を受けている方などは特に、質門したり、相談したりできる機会が目の前にありますよね。
その機会は有効活用すべきだと思います。
ただ、その際にも自分軸で学習することがぶれないように、まずは次の点を確認してみてください。
あなたが質門や相談したいことについて、まずは自分でしっかりと考えてみたでしょうか。
また、自分で少しでも調べてみたでしょうか。
実際に誰かに質門や相談をする際に、曖昧な、あるいは抽象的な、あるいは自分にしかわからない言葉を使っていないでしょうか。
これらの意識が抜けていると、答えをもらったとしても、それはざるに水を注いでいるようなものです。
ダダ漏れですね。つまり、受け身の姿勢になっていて、右から左に流れていってしまいます。
一方で、自分で調べた知識や、「ここまではわかる」という情報が整理されている状態であれば、それがもらった意見や回答をしっかりと自分の頭に定着させるための土台となります。
どちらが自分のためになるかは明らかですよね。
行動を起こしているはずなのに…
では、次のポイントに進みましょう。
主体的な学習者になるための2つ目のポイントは、学ぶ機会を積極的に取りに行くことです。
例えば、同時期にオンライン英会話を始めたAさんとBさんがいるとします。
始めた時点での2人の英語レベルは同じぐらいだとしましょう。
授業を受ける頻度も同じです。
数カ月後、Aさんはリスニングもスピーキングも上達、語彙力も向上しました。
一方でBさんは、なかなか英語が上達せず、成長が感じられないでいます。
2人は英語が上手くなりたいという思いで英会話を始めました。
学ぶために行動を起こしている点は同じですね。
なぜこのように結果に違いが生まれてしまったのでしょうか?
それは、実際に授業を受け始めてからの2人の学習姿勢に違いがあったからです。
Bさんは授業を受けているだけで満足していました。
このまま継続して時間とお金をかけさえしていれば上達するだろうと、学ぶ姿勢が受け身になっていたのです。
一方でAさんが常に考えていたのは、「どうすればもっと学べるのか?」です。
それを考え続ける中で、Aさんは小さな行動をたくさん実践していました。
- 授業の前に何を話したいかの大枠を決めておく
- その会話で必要となるであろう単語やフレーズを調べておく
- 相手に質門してみる
- 間違っても積極的に話す
- 次の授業までに新しく知ったことや上手くできなかった部分を復習しておく
といったことです。
Aさんは授業を受けるだけで満足することなく、主体的に考えて行動し、効果的に学習していたのですね。
今回のオンライン英会話というのは一例にすぎませんが、主体的な学習者になるためには、Aさんのように「どうすればもっと学べるのか?」を考え続けることで、学ぶ機会を積極的に取りに行くことが肝心となります。
考えて、考えて、考える
では次のポイントに進みましょう。
主体的な学習者になるための3つ目のポイントは、頭をひねる、つまり試行錯誤する癖をつけることです。
英語学習を始めようと思った際によくあるのが、
単語を勉強しようかな、文法を勉強しようかな、それとも発音、いやいや読解?
と、「何」を勉強するかばかりにフォーカスしてしまってその先につながらないことです。
大枠として何をするかを考えるのは当然大事なことですが、それだけでは継続した学習につながりません。
同様に、ノウハウを調べると、海外ドラマは必須だとか、多読が重要だとか、単語帳が肝心だとか様々な意見が目に飛び込んできます。
そして少しの間やってみるのですが、「なんか上手くいかないな」「やる気がしないな」と行き詰まるとそのまま放置してしまいます。
このパターンに陥らないために必要になってくるのが、頭をひねる、試行錯誤する癖をつけるということなんですね。
具体的に例を挙げると、まずは自分にとってどんな学習手段が良いのかを頭をひねって考えます。
たとえば、英文の読解力を鍛えるために自分には多読が必要だと思ったとして、どうやって多読するかという手段や方法はたくさんありますよね。
書店で面白そうな洋書を探してそれを購入して読んでいくのか…
タブレットで電子書籍を購入して読んでいくのか…
いやいやもっとどこでもできるようにしたいんだということで、スマホで空いた時間にニュース記事を読んでいくのか…
あるいは気になった単語や表現を即座に調べたり記録したりしながら読みたいんだということで、パソコン上でメモを取りながら英文を読むのか…
あるいはこれらの手段のいくつかをかけ合わせるのか…
などです。
それを考えて行動に移します。
ただ、最初に決めたことが上手くいかないことって往々にしてあるんですよね。
なので、行き詰まったらまたじっくり考えます。
そしてそこで決めたことを何度かやってみる。そしてまた考える、
とこのサイクルの先に、「うわ、これしっくりくる」とか「このやり方がベストだ」みたいな、自分にとっての正解があります。
もちろん考えるのは手段や方法だけではありません。
例えば、どの曜日、どこで、どの時間帯、どのぐらいの時間なら自分は学習を継続できるのか、ということを頭をひねって考えます。
平日なら何曜日が時間を確保しやすいのか、土日にまとめてやるのが良いのか…
自宅でするのが良いのか、図書館や自習室、あるいはカフェなどが良いのか…
朝が良いのか、夜が良いのか…
一時間できるのか、10分ずつでまず続けていくのか…
といったことです。
これも同じですね。最初からしっくりくる、ということは稀なので、試行錯誤のサイクルを回して、自分にとっての最適解まで持っていきます。
上手くいかないとしたら、何が自分に合っていないのか、何を変えればいいのか、と深掘りして考えます。
年齢や環境、自分の英語力が変われば、適したやり方が変わってくるのも当然なので、その際にもこのように1つ1つ考え、その時の自分に合う方法をまた探すわけです。
こういったことが、頭をひねる、試行錯誤をする癖をつける、ということなんですね。
まとめ/大切なこと
ここまで、主体的な学習者になるための3つのポイントをご紹介しました。
- 「自分で」学ぶ、「自分が」学ぶ意識を持つ
- 学ぶ機会を積極的に取りに行く
- 頭をひねる(試行錯誤する)癖をつける
でしたね。
ここまで話を聞いて、「いやそんなの一気にできないよ」とか「考えることが多すぎる」と、自分には無理だと思った方ももしかしたらいるかもしれませんね。
でも、一気にすべてを実践しないといけないと思う必要は全然なくて、自分が向上するために、今回ご紹介した内容の中で今の自分が始められそうなものを少しずつでも取り入れて、良い結果につなげてもらえれば嬉しく思います。
おわりに
今回は主体的な学習者になるための3つのポイントをお話ししました。
英語学習には「誰にとっても当てはまるたった1つの正解」というものはないので、自分に合う方法を見つけられるように考え、行動していくのが良いですね。
このブログおよびYouTubeチャンネルでは、主に英文法や英文読解の説明をできるだけわかりやすく行っておりますので、良かったらまた見に来てください。
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