話すための基礎文法、今回は「to不定詞」についてお話ししたいと思います。
みなさん、不定詞と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
不定詞は難しい?
英語学習という旅を始め、少しずつ英語を学んでいくと、突如「不定詞」というよく分からないモンスターが現れて躓いてしまった…
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
さらに、「名詞的用法」、「形容詞的用法」、「副詞的用法」とよく分からない用語が飛び出します。
また、「こと、ために、ための」だの「~すべき」「~して」「~するとは」だの、いろんな訳が出てきますね。
不定詞がきっかけで、「何がなんだかよく分からないよ…」と英語を学ぶ気が削がれてしまった方もいるかもしれませんね。
ですが、不定詞がどういうものなのかという根本が分かっていれば、不定詞というのは特に怖いものではありません。
そこで今回は、この「to不定詞」が一体どのようなものなのかを理解してもらうために、物語調にしてイメージしやすい形で説明していきたいと思います。
物語調で不定詞を分かりやすく説明!英文法劇場
題して、「英文法劇場~不定詞の王子様~」
はじまり、はじまり。
みんなとつながりたい動詞
むかしむかし、あるところに英語王国という国がありました。
その国では、動詞族と呼ばれる人々が王族として国を治めていました。
英語における動詞というのは、人や物事の動作や状態を表す言葉で、英文の中心的な存在です。
その動詞族の王子の1人にペンタロウという王子様がいました。
ペンタロウは王族として何不自由ない生活をしていましたが、1つ悩みを抱えていました。
ペンタロウは国の人々で大好きで、よく城下町まで馬車で遊びにいきます。
しかし、国の人々の反応は、ペンタロウが期待しているものではありません。
ねえみんな、僕、もっとみんなのことが知りたいんだ。みんながどんなお仕事をしているかも知りたいんだ。
お、王子様!
それに、みんなともっとつながりたいんだ!
し、しかしペンタロウ様!あなたは王族のお方、私達なんぞと一緒にいるなんてとんでもない!
そんなぁ(泣)
次に王子様は、他の王子がいる動詞の間に行きました。
ねえみんな、僕、もっと動詞どうしで仲良くするべきだと思うんだ。一緒に手を取り合ってさ。
何を言っているんだ、ペンタロウ。動詞族は王族、誇り高き一族だぞ。
私達は1人1人が知性と能力を磨き、独立して活躍しなければならないのだ!動詞どうしがつながるなんてみっともない!
そんなぁ(泣)
困った王子様は、最後に王様のもとへ行きました。
父上、僕はもっとみんなとつながりたいのに、分かってもらえないんだ。どうしたらいいのかなあ。
ペンタロウよ、私も若い時、同じ様な悩みを持っておった。今こそこれをお前に与えるときなのかもしれんな。
これは、我々動詞族にに古くから伝わる[不定詞のメダル]というものだ。
これを身につければ、お前は相手次第で別の姿に変わることができる。きっと役に立つはずだ。
不定詞を使うときは「to+動詞の原形」
これをつけるだけでいいの?
そうだ、だが、不定詞のメダルを身に付けるときは、必ずありのままの姿でなくてはならないぞ。
ありのままの姿・・・そうか、不定詞のメダルを付けるときは原形になるんだね。
あっ、なんとなく僕の中の動詞の性質が抑えられていく気がするよ!
不定詞の名詞的用法のイメージ
メダルを手にした王子様は、さっそく名詞族の村を訪れました。
よーし、着いたぞ。僕だって分からないように馬車は隠して…
ねえ、みんな!僕名詞族の1人として一人前になりたいんだ!名詞のお仕事を教えてよ!
ん?君は見ない顔だな…でも確かに私達と同じ名詞族だね。いいだろう、私についておいで。
やった、僕は名詞に見えてるんだ!
まずは、名詞の性質の確認から始めよう。名詞というのは、人や物事の名前を指す言葉で、文章の中で主語や目的語になることができるんだ。
I like tennis.(テニスが好きです。)という文章のtennisは、スポーツの名前だから名詞だね。
この文章ではtennisという名詞がlikeという動詞の目的語になっているよ。
なるほど、僕もやってみよう!
名詞は目的語になれるんだから、I like play tennis.で「テニスをすることが好きです。」ってなるよね!
おいおいおーい、ちょっと待て。お前、動詞じゃないか。1つの文章に主語に対応する動詞、つまり述語になる動詞は1つだけだ!ここは俺がいるんだから、さあどいたどいた!
あっ、メダルをつけるのを忘れてた!これじゃただの動詞のままになっちゃうね。
今度はしっかり不定詞のメダルをつけて…I like to play tennis.と。
これで僕は名詞になって、目的語になれたよね。やった!僕、名詞さんのお仕事ができているんだ!
不定詞の形容詞的用法のイメージ
次に王子様は、形容詞族の村を尋ねました。
よいしょっと。
ねえ、みんな!僕形容詞族の1人として一人前になりたいんだ!形容詞のお仕事を教えてよ!
ん?君は見ない顔だな…でも確かに僕達と同じ形容詞族だね。いいよ、僕についてきて。
やった、僕は形容詞に見えてるんだ!
まずは、形容詞の性質から話すね。形容詞というのは、人や物事の様子や性質を表す言葉で、名詞を修飾することができるんだ。
It is a beautiful flower.(それはきれいな花です。)という文章では、beautifulが「きれいな」という形容詞で、flowerという名詞を修飾、つまり説明しているよね。
これが形容詞の大きな仕事の1つだよ。
なるほど、僕もやってみよう!
ええっと、I have homework.(私には宿題があります。)という文章があるから、僕は形容詞として、このhomework(宿題)という名詞を修飾すればいいね。
ペンタロウ!言い忘れたが、不定詞は後ろから名詞を修飾するぞ!
そうか、じゃあ名詞の後ろにdoを置けば、「私にはするべき宿題があります。」になるよね!
おいおいおーい、ちょっと待て。またお前か、動詞じゃないか。1つの文章に述語になる動詞は1つだけって言っただろ!ここは俺がいるんだから、お前はそのままじゃいられないんだよ!
あっ、またメダルをつけるのを忘れてた!ただの動詞のままじゃだめだったね。
今度はしっかり不定詞のメダルをつけて…I have homework to do.と。
これで僕は形容詞になって、「やるべき宿題」という風に、名詞さんを修飾できたよね。やった!僕、形容詞さんのお仕事ができたぞ!
不定詞の副詞的用法のイメージ
次に王子様は、副詞族の村を尋ねました。
よいしょっと。
ねえ、みんな!僕副詞族の1人として一人前になりたいんだ!副詞のお仕事を教えてよ!
ん?君は見ない顔だね…でも確かに私達と同じ副詞族ね。いいよ、私についてきて。
やった、僕は副詞に見えてるんだ!
まずは、副詞の性質から話すね。副詞というのは、様態、頻度、程度、時など、まあ要は補足情報を表す言葉で、動詞や形容詞などを修飾することができるの。
I walked slowly. (私はゆっくりと歩いた。)という文章では、slowlyが「ゆっくりと」という副詞で、walkedという動詞を修飾、つまり説明しているよね。
これが副詞の大事な仕事の1つなの。
なるほど、僕もやってみよう!
ええっと、I went there. (私はそこに行きました。)という文章があるから、僕は副詞として、このwentという動詞を修飾する補足情報を作ればいいよね。
I went there meet her.で「彼女に会うためにそこに行きました。」でOKかな?
ちょっと待てちょっと待て!またお前か、動詞だろ!1つの文章に述語動詞は2ついらないんだ!さあ、どいたどいた!
いけない、またメダルをつけるのを忘れてた!ただの動詞のままじゃだめだったね。
今度はしっかり不定詞のメダルをつけて…I went there to meet her.でどうだ!
おいおいおーい!…ってあれ?何だ副詞か。なら大丈夫だな。
今僕は副詞になって、「会うために行った」という風に動詞を修飾できているね。やった!僕、副詞さんのお仕事ができたぞ!
不定詞の役割まとめ
喜んだ王子様は王様のもとへ戻りました。
父上、父上!
おっ、ペンタロウ、戻ったか。不定詞のメダルはどうだった?
これすごいよ!僕、いろんなことが分かったんだ!
ではペンタロウ、どんなことが分かったか、私に報告してみなさい。
OK!この不定詞のメダルの”to”と動詞の原形が組み合わさることで、動詞は名詞や、形容詞や、副詞のお仕事ができるようになるんだ!
うむ、そうだな。
だから、たとえば”to sing”とだけ見ても、それが名詞になるか、形容詞になるか、副詞になるかは、文章になってみないと分からないのだ。
そうだね、一緒になる相手や文脈次第で役割が変わるよね!
もう1つ分かったことは、”to”と動詞の原形で「to不定詞」になることで、動詞は名詞とつながったり、形容詞とつながったり、そして自分と同じ動詞とまでつながることができるんだ!
そうだな、不定詞のメダルは間を取り持ってくれる、まさに魔法の道具だ。
これってすごいことだよね!
僕はこの不定詞のメダルを使って、この美しい英語王国を治める僕と同じ動詞族のみんなと、僕の大好きな国のみんなをつないで、もっともっと素敵な国にしていくんだ!
これにて英文法劇場、不定詞の王子様、おしまい。
英文法劇場~不定詞の王子様~まとめ
- 不定詞を使うときは「to+動詞の原形」
- 「to不定詞」になることで、動詞は名詞、形容詞、副詞の役割ができる
- 「to不定詞」により、動詞は名詞、形容詞、動詞とつながることができる
- 「to不定詞」は文章になってみないとどの役割をするかは分からない
英文法劇場、どうでしたでしょうか?「To不定詞」の正体や役割を分かってもらえたのではないかと思います。
不定詞についての細かい説明は、別の動画でお話ししていきますね。
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