【よく使う!】英語の直接話法と間接話法 / 時制の一致をわかりやすく解説![058]

どう伝える?話法と時制の一致 話すための基礎文法
話法・時制の一致はじめに

今回は、話法時制の一致というルールについてお話します。

英語の基本的なルールの一部なので、この記事でしっかりとポイントを押さえてもらえれば幸いです。

では、早速始めましょう。

直接話法と間接話法の書き換え/話法の転換

どう伝える?

突然ですが、たとえばあなたがAさんと会話しているとしましょう。

Aさんは、

I want to buy a car. 僕、車を買いたいんだ。

と言いました。

また別の日、あなたはBさんと話しています。

あなたは、「彼、車買いたいって言ってたよ。」という感じで、Aさんの言っていたことをBさんに伝えます。

こんな時、英語ではどのような伝え方ができるでしょうか?

話法の種類

直接話法と間接話法

ここで、話法、つまり伝え方の種類について見てきましょう。

英語の話法には、直接話法間接話法の2種類があります。

直接話法というのは、たとえば、

He said, “I want to buy a car.”

というような言い方です。

発言者の言葉をそのままそっくり伝えるわけですね。

このマーク(“”)はクォーテーションマークといって、要は日本語で言うところのかぎかっこです。

“I want to buy a car.”の部分が彼の言ったセリフになっていますね。

日本語で再現するとしたら、『彼は「僕、車を買いたいんだ」と言った。』という感じです。

もう一方の間接話法は、

He said that he wanted to buy a car.

といった言い方です。

発言者の言った内容を自分の言葉に直して伝える言い方になります。

saidはsay(言う)という動詞の過去形ですが、sayという動詞は、「say (that) S(主語)V(述語動詞)」と、「~と言う、~と述べる」という使い方ができますね。

今回は、he(彼が)wanted(~したい)という形で、主語と述語動詞、つまり、「誰がどうした」かを続けています。

ちなみに、このつなぎ言葉のthatは省略可能です。

“he wanted to buy a car”の部分が、彼が言った内容になっていますね。

日本語で再現するとしたら、「彼は車を買いたいと(いうことを)言った。」という感じです。

直接話法と間接話法の比較

直接話法と間接話法の比較

では、この直接話法と間接話法を少し比較してみましょう。

この2つの言い方の異なる部分にお気づきでしょうか?

thatは先ほども触れたように省略可能なのでここでは置いておくとして、明らかに違う部分がありますよね。

まず、直接話法ではI(私は)となっている部分が、間接話法ではhe(彼は)となっています。

そして、直接話法ではwantと動詞が現在形になっていますが、間接話法ではwantedと過去形になっていますね。

このように直接話法と間接話法では変える必要のある言葉があるということをまず意識してもらえればと思います。

ではまず、Iがheになっているこの人称の変化について見ていきましょう。

間接話法での言葉の選び方

間接話法での言葉の選び方

間接話法での言葉の選び方についてです。

He said that he wanted to buy a car. 彼は車を買いたいと言った。

という文では、彼が言った内容の部分でheという主語が使われていますね。

これは当然、話し手の私から見ると、Aさん、つまり「彼」が車がほしいと言ったからですよね。

では、Aさんの元のセリフ、“I want to buy a car.”のように、間接話法でこの部分の主語をIにしてしまうとどうなるでしょうか。

He said that I wanted to buy a car.

これだと、Aさんが、話し手、つまり今この文を伝えようとしている「私」が車を買いたがっていると言ったことになってしまうんですね。

「きみ、車買いたいんでしょ」ってAさんに私が言われたような感じです。

これだと意味が変わってしまうのがお分かりでしょうか。

このように、間接話法では発言者の言ったことをそのまま伝えるわけではないので、話し手(私)の立場から言葉を選ぶ必要があります。

直接話法と間接話法では、今回お話した人称代名詞、つまり人を表す言葉以外にも変化する語があります。

それについては次回以降の記事でまとめてお話しできればと思います。

時制の一致の法則

時制の一致

では次に、直接話法では現在形だった動詞(want)が、間接話法では過去形(wanted)に変わっている点について見ていきましょう。

時制の一致とは

時制の一致の仕組み

これが時制の一致というルールです。

まず、間接話法の

He said that he wanted to buy a car.

という文の構造を見てみましょう。

一旦説明のためにかなり細かいことにも触れるので、わかりにくく感じてしまうかもしれませんが、少しお付き合いいただければと思います。

この文では、He said(彼が言った)とS(主語)、V(述語動詞)、つまり「誰がどうした」とあり、その後でもhe wanted(彼が~したい)と、SVがあります。

この文法用語は別に覚える必要はないです。

He said that he wanted to buy a car.

このような主語と述語動詞を含む言葉のかたまりをというんですが、さらに分類すると、He saidの部分(黄色)を主節、that以下(赤)を従属節と呼びます。

要は、従属節は接続詞や関係詞でメインのかたまりにくっついている節、主節はくっつかれている節のことです。

時制の一致というのは、「主節の動詞が過去を表すときは、原則として従属節の動詞も過去の形にする」というルールのことです。

この文では主節の動詞がsaid(言った)と過去形になっているので、従属節の動詞も、元のセリフでは“I want to buy a car.”と現在形なのですが、主節の動詞に合わせてwantedと過去形になるんですね。

ここで、この文が表す「時」を過去から未来へ流れる線で表してみます。(上画像参照)

現在をここだとすると、彼が「車を買いたい」と言ったのも、「買いたい」と思っているのも同じ過去の時点だということになります。

なので、wantedと過去形にはなっていますが、彼は「車を買いたかった」と言ったわけではなく、「車を買いたい」と言ったということです。

例外もありますが、原則だとこうなります。

時制の一致のイメージ

時制の一致のイメージ

ここまで文法的なかなり細かい話をしてきましたので、ここではもう少しイメージ的な話をしたいと思います。

He said that he wanted to buy a car.

この文は、He said(彼が言った)と、動詞が過去形になっているので、この時点で話し手は過去の話をしている、つまり意識が過去に向いています。

言わば、この文自体がこの時点で過去の意味合いのオーラをまとっているような感じです。

なので、この後に続く彼が言った内容は、元のセリフは“I want to buy a car.”と現在形でも、間接話法の枠に入った時点でこれは過去の枠ですから、“he wanted to buy a car.”と過去形になるといった感じです。

元のセリフの時制が過去にずれるイメージで捉えればわかりやすいかと思います。

時制の一致のパターン

時制の一致のパターン1

では実際に、様々な時制の文について、時制の一致のルールがどのように適用されるのかを見ていきましょう。

まずは、現在進行形です。

たとえばある女性が

“The baby is sleeping.” その赤ちゃんは眠ってるよ。

と言ったとしましょう。

彼女がそう言ったことを誰かに伝えるとすると、間接話法ではどうなるでしょうか。

間接話法では、時制を過去に合わせるので、過去進行形になります。

She said the baby was sleeping. 彼女はその赤ちゃんは眠っていると言った。

という感じです。

元のセリフでは動詞は現在形のbe動詞、isだったものが、間接話法では主節の動詞がsaidと過去形なので、こちらもwasと過去形になります。

次は過去形のセリフの場合です。

たとえば、ある女性が

“I was a teacher.” 私は先生でした。

と言ったとします。

これは間接話法では、過去完了形の形になります。

She said she had been a teacher. 彼女は自分が先生だったと言った。

という感じです。

「had+過去分詞」が過去完了の形ですね。

元のセリフでは動詞は過去形のbe動詞、wasだったものが、間接話法では、wasがさらに過去を表す形にずれて、had beenと過去完了形になります。

これは過去完了形が「話題になっている過去のある時点よりさらに過去のことが関係するとき」に使う時制だと分かっていれば、すんなり理解できるかと思います。

過去完了形がよくわからない、という方は是非以下の過去完了形についての記事をチェックしてみてください。

ちなみに、過去形のまま使われる場合もあります。

これはより口語的な表現で、特に意味の混乱が生じない場合だと目にすることもあるかと思います。

ですが、まずは原則として過去形は間接話法では過去完了形になるということを押さえておくといいでしょう。

続いて、現在完了形ではどうなるでしょうか。

たとえば、ある男性が

“I have lost my phone.” 私は電話を無くした。

と言ったとします。

「have+過去分詞」で、現在完了形ですね。

現在完了形がよくわからないという方は、是非以下の現在完了形についての記事を見ていただければと思います。

間接話法になると、こちらも過去完了形の形になります。

たとえば、

He told me he had lost his phone. 彼は電話を無くしたと私に言った。

という感じです。

ここでは動詞にtellの過去形toldを使いましが、このようにtellを使う場合は、「tell (that) S V」という形で、sayと違って誰に言ったかにも触れる必要があります。

時制の一致について確認すると、元のセリフではhave lostと現在完了形だったものが、間接話法では主節の動詞が過去形(told)なのに合わせて、had lostと過去完了形になっています。

ちなみに、元のセリフが過去完了形だった場合は、過去完了形よりもさらに過去を表す時制はないので、間接話法でも変化なしとなります。

助動詞を使う場合

時制の一致のパターン2

次に助動詞を使う場合も確認しておきましょう。

たとえば、ある女性が

“I will be late.” 私は遅れます。

と言ったとします。

willが未来を表す助動詞ですね。

彼女がそう言ったことを間接話法で誰かに伝えると、助動詞は過去形の形に変わります。

She said she would be late. 彼女は遅れると言った。

という感じです。

元のセリフのwillが、過去形のwouldになっていますね。

canの場合も同様です。

ある男性が

I can speak English. 私は英語を話せます。

と言ったとします。

canは「~できる」ということを表す助動詞ですね。

これは間接話法では、

He said he could speak English. 彼は英語を話せると言った。

と、canが過去の形、couldに変わります。

ただ、

“You should call the police.” 警察を呼んだほうがいいよ。/警察を呼ぶべきだよ。

という風にshouldを使う場合は、実は間接話法でも変化がありません。

She told me I should call the police. 彼女は私に警察を呼ぶべきだと言った。

という風にshouldのままです。

同様にwould、could、mightも間接話法では変化しません。

これらは既に過去形の形なので、これ以上過去を表す形がないんですね。

時制の一致の補足

時制の一致の補足

一通り時制の一致の例を見てきましたので、ここで少しこのルールの補足をしておきたいと思います。

He said that he wanted to buy a car.

のような間接話法の文では、このsaidの部分は当然ですがいつもsay(言う)という動詞を使わないといけないわけではありません。

文によって伝えたい内容に応じて動詞を選ぶといいですね。

たとえば、先ほどもあったtellやclaim(主張する)、complain(不平を言う)、ask(尋ねる)などです。

また、今回は話法の話と合わせて時制の一致を説明しましたが、時制の一致のルールは間接話法以外でも適用されます。

たとえば、

I thought he was tired. 私は彼が疲れていると思った。

とか

I knew she would be late. 彼女は遅れると分かってたよ。

という感じです。

どちらも今回はthatを省略していますが、今まで見てきた文と同じ構造ですよね。

時制の一致の例外

時制の一致の例外

最後に、時制の一致の例外について触れておきたいと思います。

時制の一致のルールが必ずしも必要ない、つまり過去形にしなくてもいい場合もあります。

たとえば、今でも変わらないことを言うときです。

例として、

She said that she likes coffee. 彼女はコーヒーが好きだと言った。

という文を見てみましょう。

この文は時制の一致のルールでいうと、動詞のlike(好き)の部分はlikedと過去形になるはずですね。

ですが、彼女がコーヒーを好きなことが今でも変わっていないと分かっているときや、特に今でもそうであることを強調したいときは、このように現在形のままで使われることもあります。

もちろん、ルール通りにlikedにしても構いません。

また、不変の真理、つまり絶対変わらないことについて触れるときも同様です。

たとえば、

He learned the earth goes around the sun. 彼は地球が太陽の周りを回っていることを学んだ。

です。

これは変わらない事実なので、時制の一致のルールで言うとwentになるところがgoesと現在形になっています。

こういった例外も頭に入れておくと、実際に時制の一致の文に出会ったときにきっと役に立つはずです。

疑問文の場合

疑問文の場合

ここまでの話を聞いて、元のセリフが

Where is she? 彼女はどこ?

とか、

Why was he late? どうして彼は遅れたの?

といった疑問文だったらどうなるの?と思った方もいるのではないでしょうか。

疑問文の場合については、間接疑問について説明した以下の記事で詳しく説明していますので、気になる方はぜひそちらをチェックしてみてください。

話法と時制の一致 まとめ

おわりに
  • 英語の話法(伝え方)には、直接話法間接話法の2種類がある
  • 直接話法・・・発言者の言葉をそのまま伝える
  • 間接話法・・・発言者の言った内容を自分の言葉に直して伝える
  • 直接話法と間接話法では変える必要のある言葉がある
  • 時制の一致・・・「主節の動詞が過去を表すときは、原則として従属節の動詞も過去の形にする」というルール

今回は話法と時制の一致についてお話しました。

一度意識すると、時制の一致が適用されている文は案外多いということに気づくようになるかと思います。

是非、次に英語に触れるときに注目してみてください。

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この記事を書いた人
Momo

英語講師/翻訳者
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