この『きほんの英文読解』のコーナーでは、英文記事の一部を使って、文法解説、英文構造把握、重要表現などについて説明します。
つまりは、英文からさくっと英語を学んでいこうというコーナーです。
“Grandparents Caring for and Teaching Grandchildren”
今回は、VOAの“Grandparents Caring for and Teaching Grandchildren”という英文記事の一部を使って英語を学んでいきたいと思います。
以下は、今回扱う記事のリンクです。
タイトルは「おじいちゃん、おばあちゃんが孫の面倒を見て教えてあげる」といった意味ですね。
では、早速本文を見ていきましょう。
コンマに挟まれた挿入節
意味の句切りがいいところにスラッシュ(/)を入れています。
まず、最初に少し触れておきたいのが“if you plan well”の部分です。
この部分は2つのコンマ(,)に囲まれていますね。
これは挿入節といって、元の文章を中断する形で言葉を挿入しています。
元の文章はこの部分を除けば、“Retirement is filled with leisure.”と読むことができます。
これを言っている途中で、思い出したように言葉を足しているといったイメージです。
なので、
Retirement, if you plan well,…(退職後の生活というのは、もしあなたが上手く計画しているなら…)
となりますね。
be filled with~
続きを見ていきます。ここでは、
be filled with~ ~で満たされている、~でいっぱいである
という表現をチェックしておきましょう。
Retirement, if you plan well, is filled with leisure…(退職後の生活というのは、もしあなたが上手く計画しているなら、自由な時間でいっぱいだ…)
という意味になります。
ダッシュ(–)
次は、“– time to do what you want when you want.”の部分です。
ここでは頭にある横線、ダッシュ(–)に触れておきます。
ダッシュ(–)は言い換えや、具体的な説明を続けるときに使う記号です。
ここでは、先ほど触れた“leisure”がどんな時間なのかということを、後ろで言い換えて詳しく説明していることになります。
意味についてはこれから見ていきましょう。
to不定詞(形容詞的用法)
次に、“to do”という不定詞が含まれている部分を見てみましょう。
ここでは、どのような不定詞の使い方がされているか分かりますでしょうか。
これは、形容詞的用法と呼ばれる不定詞の使い方です。
以前、不定詞についての記事で説明しているのですが、形容詞的用法とは形容詞の働きをする不定詞のことです。
日本語では「~するための」や「~すべき」と訳されることが多いです。
形容詞は人や物事の様子や性質を表す言葉で、名詞を修飾するという性質を持っています。
たとえば、
a beautiful flower (美しい花)
では、”beautiful”(美しい)という形容詞が”flower”(花)という名詞を修飾、つまり説明しています。
形容詞用法というのは、不定詞にもこの名詞を修飾する形容詞の役割ができるということです。
では、本文に戻って確かめてみましょう。
“to do…”という不定詞の含まれる部分の前に“time”(時間)という名詞がありますね。
ここでは“time”の後の不定詞を含む部分が、その前にあるこの“time”という名詞を説明する役割をしています。
「~するための時間」ということですね。
形容詞的用法の不定詞は、その前の名詞が「どんな」ものなのかを説明するものです。
不定詞について詳しく知りたい方は、以下の不定詞についての記事を見ていただければと思います。
関係代名詞 what
では、次に“what you want”という部分を見ておきましょう。
これは関係代名詞のwhatです。
関係代名詞のwhatは「~すること」「~するもの」という意味になります。
たとえば、
What she said is true. (彼女の言ったことは正しい。)
という風に使うことができます。
ここでは“what she said”の部分が大きな名詞の役割、名詞節となって、文章の主語になっています。
ちなみに、whatを使ったこの文は他の関係代名詞を使って言うと、
The thing which she said is true. (彼女の言ったことは正しい。)
言うことができ、実質同じ意味になります。
本文に戻ってもう一度見てみると、
what you want(あなたのしたいこと)
が、その前にある“do”という動詞の目的語になっています。
“when you want”(あなたのしたいときに)と続いているので、全体では、
– time to do what you want when you want.(あなたのしたいときにしたいことをするための時間)
という意味になっていますね。
以下の記事で関係代名詞whatについて詳しく説明しています。
That is why S V
では、進めていきましょう。
ここではまず、
That is why それが~の理由だ
という表現をチェックしておきましょう。
ここでは、「それが私達が~する理由だ」と言っているわけですね。
call O C
次に、ここでの“call”の使い方をチェックしておきましょう。
ここでは、
call O C ~を~と呼ぶ
という使い方をしています。Oは目的語、Cは補語ですね。
なので、“retirement”を、“the Golden Years”と呼ぶ、と言っていることになります。
全体を見ると、
That is why we call retirement the Golden Years.(それが私達が退職後の生活を黄金の年月と呼ぶ理由です。)
という意味ですね。
ちなみに“the golden years”というのは、老後を指すときに使われる表現です。
to 不定詞(形容詞的用法)2
では、進んでいきましょう。
ここでも、“to see them”と続く部分に不定詞がありますね。先程と同様、形容詞的用法です。
“leisure”という直前の名詞を“to see”以下が修飾、つまり説明しています。
「どんな」“leisure”=余暇の時間なのかを説明しているわけですね。
whenever
最後に“whenever they want”の部分を見ておきましょう。
whenever ~するときはいつでも
という表現です。
ここでは「彼らがwantするときはいつでも」となるのですが、“want”で文章が終わっているのは、その後に続く言葉が明らかなため省略されているからです。
省略せずに言うと、”to see them”が続きます。
全体を見ると、
Retirees with grandchildren have the leisure to see them whenever they want.(孫のいる既に退職した人たちは、孫に会いたいときにいつでも孫に会う自由な時間がある。)
となりますね。
“Grandparents Caring for and Teaching Grandchildren”まとめ
- be filled with~:~で満たされている
- ダッシュ(–):言い換え、具体的な説明
- to不定詞(形容詞的用法):前の名詞が「どんな」ものか説明
- 関係代名詞“what”:~すること、~するもの
- That is why :それが~の理由だ
- call O C:~(O)を~(C)と呼ぶ
- whenever:~するときはいつでも
いかがでしたでしょうか。
今回も読んだ文章自体は短いものでしたが、たくさん使える表現がありましたね。
こんな風に是非いろんな英文に触れて、英語を読む楽しさを感じていただければと思います。
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